昨年、第33回「JALの再建は可能なのか?」、第34回「政府はJALを救うべきか?」、第40回「JALへの公的支援 誰が損をし、得をするのか」と3回に渡ってJALの再建問題についてお話ししてきました。この1月19日に、日本航空が東京地裁に会社更生法の適用を申請し、法的整理へと歩を進めましたが、私は、これまでもお話ししてきた通り、法的整理に賛成です。今回は、法的整理へと動いた背景にあるものは何か、そしてJALのこれからの短期的な見通しについてお話ししていきたいと思います。
私の立場はすごくシンプルです。一つは公平性。儲けようとした人たちはそれ相応のリスクを負うべきだということです。そして、もう一つは、当然のことながら、JALにできるだけ早く健全になってもらいたいということです。
なぜ、法的整理が進んだのか
今回のJALの再生計画については、大体思った通りの筋書きで進んだと思います。
これまでお話ししてきたことの主旨は、「法的整理をしたほうがいい」ということでした。さらに、なぜ法的整理を行わないのかということを第40回「JALへの公的支援 誰が損をし、得をするのか」で触れましたが、その一番の理由は「銀行救済にあるのではないか」とお話ししました。
JALを本当に再建するなら、負債を軽くする意味でも、銀行や株主などの利害関係者に応分の責任を負ってもらい、かつ、再建のためには利害関係者を少なくしたほうが良いことからも、法的整理のほうが良いと考えていたのです。
もう少し踏み込みこんでみます。銀行救済にあるのではないかという背景には、BIS規制の問題がありました。バーゼル銀行監督委員会で、銀行の資本規制を強化するという話し合いが進められたことです。(自己資本、特に中核自己資本と呼ばれる普通株式で調達した資本金や利益の蓄積などの本質的な自己資本比率を上げないといけないというものです)
ここで法的整理を行うと、JALに融資をしていた銀行は自己資本比率という観点からは非常に大きな損失を被る可能性があったのです。





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