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河岸宏和
ホイッスル・ブロワー=警笛を吹く人
私は週末にテニスをすることがあります。テニスのルールは非常にシンプルです。ルールが明確だからこそ、ゲームを楽しめるのです。スポーツではルール違反を行ったときに、審判が笛を吹いてプレーをその場で止めます。セルフジャッジのゲームであれば、違反があったときに気が付いた人がその場で笛を吹きます。大切な点は、ルール違反があったときにその場で笛を吹くことなのです。
「中国産の原料を国産原料と表示」といった偽装表示の報道は未だに無くなりません。産地偽装を行っている現場には作業をしている人がいます。そして偽装表示を指示している責任者がいるはずです。
現場の責任者がルール違反の指示をしたときには、作業をしている人が勇気を持って笛を吹くことが必要だと思います。社会人は自分の行動に責任を持つべきだと思います。欧米ではこのような行為をする人を「ホイッスル・ブロワー(警笛を吹く人)」と呼びます。
スーパーで買い物をするときも、産地表示などに疑問を持ったときには、勇気を持って店員に質問をすることが大切だと思います。
アメリカ産の牛肉は日本産ではないのです。中国産のうなぎは国産うなぎではないのです。日本人はいつから食品を偽装して製造、販売するようになったのでしょうか。私もハムメーカーで働いていたときに、自分自身で豚肉に植物性たんぱく質などを打ち込むことを、仕事として経験してきました。しかも先頭になって実践してきたのです。
社会人に成り立ての私は、その行為に天性の素質があると信じていたくらい添加物に頼り、偽物のハム作りに持てる力をすべてつぎ込んできました。しかし、所帯を持ち、子供が一人、二人と出来てくると、ふと疑問が湧いてきました。
「自分が添加物を配合したハムを子供に食べさせることができるのか」
頭の中をよぎる、この疑問から逃げられず、私は仕事を変えることにしたのです。
「家族に食べさせることのできる商品を作ろう」
その後食品製造の現場で約20年働き、いまは流通の品質管理をしています。
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