昨年12月、兵庫県尼崎市の犬繁殖業者が、自治体に毎年多数の売れ残り犬を引き取らせ、殺処分にしている実態が明らかになった。近年、人間とペットの長い歴史的な信頼関係を損ねるようなモラル崩壊が目立っている。
違法飼育の売れ残った犬を引き取り、殺処分していた尼崎市
尼崎市の問題について、朝日新聞は次のように報じた。
「兵庫県尼崎市の犬繁殖業者が狂犬病予防法による登録やワクチン接種をせずに、約200匹の犬を飼育していることがわかった。10匹以上の集団飼育で必要な自治体の許可も受けていなかった。尼崎市は5年前から違法状態を知りながら、ほぼ毎年、売れ残った犬を年間50匹以上引き取り、殺処分していた。市は、動物保護団体から『行政が違法業者の尻ぬぐいをしている』と指摘され、来年度から引き取りの中止を決めた。
この業者は10年以上前から市内の住宅街に建てた5階建てのビルの室内で、ダックスフントやプードル、チワワなど小型・中型犬を繁殖させ、店頭やネットなどで販売している。立ち入り調査した市によると、最も多い時期で約450匹、現在も約200匹を飼育。動物愛護管理法による動物取扱業者の登録はしているが、一定匹(頭)数以上の動物の飼育を規制する化製場法に基づく飼育の許可は受けていない。また、狂犬病予防法による登録、予防接種もしていない」(2009年12月10日付の朝日新聞より)
尼崎市のような実態は東京都ではありえない。業者からの引き取りを認めていないからだ。国と自治体は、以前から殺処分数の削減に取り組んできた。最近でも、環境省が次のような事務連絡を全国の自治体に向けて発している。
「(略)動物の所有者又は占有者の責務等が規定されており、動物の所有者等はその所有する動物を終生飼養すべきでありますが、実態としては、動物の所有者等が、安易に又は何度も自治体の動物愛護センター等へその所有する犬又はねこの引取りを求める事例がみられます(略)いわゆるリピーターの対策が、課題の一つとなっています」(2009年2月4日付の環境省事務連絡より)
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