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佐藤恭一の“徒然”広告論「のれん ブランド 日本人」

どうしてブランドは「未来派」なのか?

(文/佐藤 恭一)

 このコラムがアップロードされると、すぐ2010年になるのでしょう。年初の広告がどんな様子なのか気になります。1970年代以降、およそ90年代の前半頃までは、1月2日の新聞の特集ページにいわゆるお正月広告がひしめくように並んでいました。広告の作り手のほうもひときわ力が入ったものです。

 お正月広告は単純な販売促進広告でなく、企業やブランドの新しい精神とか抱負を語るといった、より前向きで未来志向の広告が主流だったと思います。その喜ばしい“日本の伝統”はまだ少しは残っているようですが、近年、かつての熱気は感じられなくなってしまいました。

 だからといって、景気の低迷、地球環境の問題、先進諸国における資本主義の老化現象などによる不安定要因が影響して……などと書いたのでは新年早々の話題としてはまったく不適格であります。したがって私は前向きなキイワードを探そうと思い、ふと頭に浮かんできたのが“未来派”でした。そのものズバリ、何のひねりもない言葉で恐縮ではありますが、お正月気分ということで大目に見てもらい以下続けることにします。

 実は未来派とは、20世紀初頭にイタリアで起こった芸術の革新運動とそのアーチストたちを指します。歴史をたどれば、始まりは1909年の「未来派宣言」、そして続く1910年の「未来派画家宣言」であることが分かります。ぴったり100年前の出来事で、2009年は祖国イタリアで回顧的イベントが多くあったようですが、この2010年もまた言及するにふさわしく記念的な年に当たります。

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