(佐々木俊尚=ITジャーナリスト)
大阪府箕面市が、市立のすべての小中学校の教員用に、リナックスをインストールした中古パソコンを配布すると発表した。これまで公立学校の現場では、教員の「ひとり1台」が実現していなかった。ウィンドウズやオフィスソフトの導入によるコスト高が阻害要因のひとつになっていたのだが、安価な中古パソコンとリナックスを活用することで、箕面市では今回「ひとり1台」がほぼ実現するという。
公立学校におけるパソコン普及率の伸びは鈍化
文部科学省が今年8月に発表した「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」によると、全国の公立学校における教員のパソコン配備率は、3月現在で61.6%。2006年にはわずか33.4%しかなかったが、同年策定された政府の「IT新改革戦略」で「2010年までにすべての公立小中高校などの教員にひとり1台のコンピュータを配備する」と盛り込まれたことから一気に普及が拡大した。
とはいえ、当初予定していた「2010年にひとり1台」は実現しそうにない。また普及の伸び率も、06年から毎年33.4%、43.0%、57.8%と順調に増えてきたのに対し、08年から09年にかけてはわずか3.8ポイントしか増加しておらず、伸びは鈍化している。このため文部科学省は「ひとり1台」の実現期限を2011年3月に延期している。
IT新改革戦略では、日本が国際競争力をつけていくためには、子どもたちが義務教育段階できちんとITに触れ、インターネットの情報を使いこなす能力を高めていかなければならないと指摘した。だが2006年当時の現状として、「これまで学校では、各種IT機器の整備が推進されているが、教員用コンピュータ整備の不足、 校務のIT化の遅れ、学校のIT機器の保守・点検等を行う人材の不足などの問題があり、学校現場のIT化による改革が十分に進んでいるとは言えない」という状況があった。
この状況は、いまだ好転しているとはいいがたい。そういう状況の中で、今回の箕面市のような取り組みは非常に注目される。
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