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松本すみ子の団塊消費動向研究所ビジネス

エピローグ~「団塊シニア」の誕生(1/3ページ)

2009.12.22

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 2004年7月13日、この「団塊消費動向研究所」は始まりました。それから5年、今回で109回目を迎えます。そして、今回が最終回となりました。このコラムでは、団塊自身が持つ困惑や苦悩、希望や期待がどのように消費に結びつくのかを考えてきたつもりです。108ある煩悩を除くために撞くのが除夜の鐘であれば、それより1回多い109という回数は、このコラムに相応しい終わり方といえるかもしれません。

 1回目は「プロローグ~シニアってだれ?」をタイトルに、団塊世代はシニアなのか?という問いから始まりました。最終回は、今後、マーケットでは団塊世代をどのようにとらえていったらいいのかを探ってみたいと思います。

団塊マーケットの失敗

 このコラムが始まった2005年は、社会全体が団塊世代に注目し始めた年でした。特に大きな期待を持ったのが、団塊世代に向けた商品やサービスを提供し、新しいビジネス分野を創ろうとした企業や商品提供者でした。その期待が、今までの日本にはなかった「団塊シニアマーケット」を誕生させました。団塊世代はまだシニアとはいえなかったのですが、まもなく「定年を迎える人たち=シニア」という単純な発想から、関心は団塊世代だけでなく、シニア世代全般に及んだのです。

 しかし、結論から先にいえば、団塊シニアマーケットは失敗でした。理由の一つは、この「団塊=シニア」という認識が間違っていたからです。団塊世代とシニア世代は違います。

 たとえば、若年層ほど、高齢者として認識する年齢は若いというデータがあります。20代に「何歳から高齢者だと思うか」と聞くと、もっとも多い答えは「55歳くらい」だそうです。また、若い世代に団塊向け商品開発を担当させると、いかにもお年寄り向けといった商品しか出てこないという話も聞きました。無理もありません。未知の世界ですから、自分の記憶にあるおじいさんやおばあさん世代をイメージしたものしか思い浮かばないのです。

 とはいえ、マーケットがシニアに関心を示すようになったことは団塊世代が存在したことのひとつの功績といえます。それまでの日本の社会では、定年後の人たちとか、60歳以上の人たちをまともな市場としてとらえることはありませんでした。それが証拠に、それまでの市場調査アンケートなどの対象年齢はほとんどが59歳まででした。ところが、人口が多く、目立つ存在である団塊世代に注目が集まることによって、シニア消費者全般への関心が高まったのです。

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