(もり・ひろし=新語ウォッチャー)
毎週お届けする「時代を読む新語辞典」も、これが今年最後の掲載となる。そこで今回は毎年恒例の企画として、筆者が独自に選出する「新語十選」を紹介したい。筆者は選出を通じて、今年の世相から「記憶を上書きすることの残酷さ」を感じた次第だ。
まず十選を紹介する前に、選出の基準について触れておきたい。基準は大きく分けて3つ。第1には「今年その言葉が話題になるきっかけがあった」こと。第2には「その言葉が今後しばらく定着しそうである」こと(史実として残りそうな言葉も含む)。第3には「その言葉に対する社会的関心が大きかった」ことを基準とした。
2007年と2008年の十選も以下に示しておく。表中には、将来的な定着を予想しながら死語化に向かっている言葉も含まれる(メガ食品、KYなど)。またこれとは逆に、取り上げるべき言葉が含まれていない(例えばアラフォーは流行語として消費される可能性を考慮して選外としていた)ことにも気付かされる。これらは筆者の反省材料とさせていただきたい。

事業仕分け 〜異論反論も情報公開のメリット〜
今年は、自民党から民主党への政権交代が起こり、政治手法の変化を体感できた年だった。とりわけ注目された手法が「事業仕分け」だろう。これは国の行う事業について、その必要性や効率的実施方法などを「公開の場」で議論する手法を言う。民主党政権の行政刷新会議は、今年11月に事業仕分けを実施。9日間で449事業の精査を行った。個別の議論や進め方の是非については異論も噴出しているが、このような批判ができるのも情報公開の大きな意義と言える。
この手法はもともと、非営利のシンクタンク『構想日本』が2002年に発案したもの。構想日本では、すでにこの手法により一部自治体で事業仕分けを実施している。また自民党政権に対しても、国の事業に対する仕分けを働きかけてきた経緯がある。だが一般にこの言葉が知られるようになるのは、民主党政権による仕分け作業がマスコミで報じられた今年11月以降のことだ。『現代用語の基礎知識』(自由国民社)選出の『ユーキャン新語・流行語大賞』は同語をベストテンに選出した。






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