(聞き手:林田 孝司=フリーライター)
“モンスターテレビ”“次世代のハイスペック”など様々な形容詞がつく東芝の新液晶テレビ「CELLレグザ(CELL REGZA)」。東芝 デジタルメディアネットワーク社の大角正明社長が「東芝の総合技術力の結集で、最高のエンターテインメントマシン」と紹介する一台だ。
「レグザ」シリーズの販売が好調の今、12月上旬発売の「CELLレグザ」にはどのような使命があるのか。スペックや戦略、技術者のこだわりを、「レグザ」の商品戦略に携わる東芝デジタルメディアネットワーク社の本村裕史さんに聞いた。

普通乗用車にF1のエンジンを積むようなものだ
——「CELLレグザ」はテレビの革命ともモンスターテレビとも言われています。その理由は、商品名に付いている「CELL(セル)」の採用ですね。
本村 「CELL」の正式な名称は「セルブロードバンドエンジン」で、IBM、ソニー、東芝の3社で共同開発しているCPUです。非常に処理速度が速く、IBMはスーパーコンピューターに応用しようとしています。ソニーはご存じのように「プレーステーション3」に採用しています。そこで東芝はということになるのですが、映像系のAV機器で使えないかという発想がトップダウンでありました。
「CELL」は、普通のパソコンに搭載されている「インテルCore2Duo」というCPUの10倍くらいの処理速度があります。普通のテレビと比べると143倍くらいの処理速度です。正直なところ、開発当初は、この能力をテレビにどう生かせばいいのか、回答を見つけることができませんでした。当時、研究所のメンバーと「CELLはテレビには役に立ちません。普通乗用車にF1のエンジンを積むみたいなものでしょ。公道で何の役にも立たない」といったような話をしたのを覚えています。7年ほど前のことですね。

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