11月26日、ドバイの政府系企業が多額の債務の返済延期を要請したことを受けて、リーマンショックの記憶がまだ生々しい金融市場に大きな不安が広がりました。その不安は、ドバイへの貸出金が多い欧州金融機関への懸念につながり、為替市場の投機筋は、一斉にユーロにも売りを仕掛けました。その結果、一時、ユーロもドルも売り込まれ、安全通貨である円の独歩高の展開となりました。
足元の為替市場では、“ドバイショック”が小康状態を保っていることもあり、為替市場はだいぶ落ち着きを取り戻し、ドル安・円急上昇の動きはやや後退しています。ドル安・円高の一服感の背景には、円急上昇の反動や、年末にかけての金融市場の機能低下の懸念があります。通常、年末や年度末が近づくと、大手銀行が決算の手続きで勘定を閉めるため、ドル資金の貸し手が減少する傾向があります。
ドルを貸す人が減ってしまうと、大手金融機関などは自前でドル資金を調達せざるを得ません。そうなると、手持ちの自国通貨を売って、ドルを買う動きが鮮明化するケースが増えます。その結果、為替市場でドル需要が拡大し、短期的には、為替市場でドル買いが優勢になるのです。今年も、既にそうした傾向が目立っています。そうした状況を反映して、年末近くまではドルの買いが入り易く、円高・ドル安傾向が一服するとの見方が有力です。
しかし、これでドル安・円高の動きが終わったと見るのは尚早でしょう。米国経済は、依然、バブルの後始末に苦しんでおり、短期間に景気が大きく盛り上ることは考え難い状況です。景気の本格回復が遅れると、中期的なドルの上昇余地は限られます。今後、ドルがトレンドとして急激に上昇する可能性は低いと見られます。
その一方、新興国の経済発展のスピードは加速しており、新興国の通貨は、基本的に対ドルで強含みの傾向を示しています。大きな人口を抱える新興国の経済が拡大すると、当然、エネルギー資源や、小麦などの穀物に対する需要は増加するはずです。今後、資源国の輸出はさらに増加し、景気が改善することが予想されます。そのため、資源国通貨も強含んでいます。こうした基本的なトレンドは、直ぐに変化することはないでしょう。





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