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あなどれない新書たち

良い社会を考えるための手引き『使える!経済学の考え方』

(奥野 宣之)

使える!経済学の考え方
小島寛之著
筑摩書房
777円

 あなたは「経済学」と聞いて、どんなことを思い浮かべるでしょうか?

 需要曲線とか、労働価値とか、ほとんどの人にとって「ややこしいもの」というイメージがあると思います。「経済学者」は、金融政策のご意見番だし、「エコノミスト」は、「円高は1ドル70円台まで行く」とか、株価や為替の予想などをしているのが普通ですね。“予想屋”としての腕前を格付けした本もありました。

 本書は、このような従来から持つ「経済学のイメージ」をがらりと変える本です。

 著者は冒頭でいきなり、

 「本書は『よい社会とはどういう社会なのか』について論じる本です」

と、経済学が果たすべき使命を宣言します。

 すなわち、どうすればもっと社会が公平になるか、自由になるか、平等になるか、正義にかなうものになるか──。 「それって、経済学じゃなくて、政治や哲学の仕事じゃないの?」

 と思ったら、もうあなたは術中にはまっています。

 経済学は、金儲けのテクニックではなく、幸福な人間社会の姿を導き出していくためのものだ、というのが、この本の主旨だからです。

 本編では、幸福や自由といった概念を数式で表し、古今のさまざまな学者が唱えた説を解説していきます。数式は、思い込みや信念から離れて、冷静に現象を考えるためのツールです。

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