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河岸宏和
大量に取れたときに凍結保存する
食品の加工、保存技術は時代とともに進歩してきました。農産物は季節に応じ、旬の作物が大量に収穫されます。トマトがたくさん取れたときは、ケチャップやトマトジュースに加工して保管されます。生のトマトのまま消費地まで運ぶよりも、加工したほうが輸送も簡単になります。
牛乳を生乳で販売しきれないときには、粉乳、チーズなどに加工し、保存できる製品に加工します。卵もテーブルエッグとして販売しきれないものは、液卵にし、凍結することで無駄にならないようにしています。例えば、クリスマスなどでケーキ需要が増えるときは、夏に余った凍結液卵を使用しているのです。
水産物も、旬の時期は一度に大量に捕獲します。かまぼこの原料に使用する“たら”は、捕獲後、船の上ですり身に加工し、そのまま凍結してから陸揚げされます。かまぼこメーカーは、その凍結されたすり身をかまぼこに加工します。
このように食材を凍結加工することで、食材の流通、保管が容易になったのです。
ケーキ屋さんから始まった瞬間冷凍
電車の“駅そば”は、冷凍めんを使用する例が増えてきました。空港の飲食店などで扱うめん類のほとんども冷凍だと思います。生めんは調理が容易なのですが、売れ残ったときの対応が面倒です。冷凍めんならば、売れ残っても冷凍保管しておけばロスになりません。
小さな町のケーキ屋さんの場合、職人が一人だけの日には様々な種類のケーキを作ることは難しいものです。今日はチーズケーキ、明日はモンブランと、毎日数種類ずつ製造し、冷凍保管ができれば、数多くの種類のケーキを効率よく提供することができます。
ケーキ、刺身などを家庭用の冷蔵庫で凍結させると、解凍したときにスカスカのスポンジ状になってしまう場合があります。凍結させる途中で、食材の中の水分が凍り大きな結晶になってしまうため、組織を壊してしまうのです。
ケーキ屋さんでは、ケーキを凍らせるために氷の結晶が出来ないくらい素早く凍らせる技術が使われています。瞬間冷凍の設備を使用している製品は、解凍しても元の味が損なわれない、すばらしいものです。
ケーキ屋さんから始まった瞬間冷凍の技術は、漁業などにも適用され、遠くの消費地へ運ぶことが可能になり、今までは地産池消だったものが全国に流通できるようになったそうです。
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