EU(欧州連合)に加盟する27カ国すべてがリスボン条約を批准したことを受けて、ついにEU初代大統領(EU首脳会議の常任議長)が決まった。2009年11月19日のEU臨時首脳会議で選出されたのはベルギー首相のヘルマン・ファンロンパイ氏(62歳)だった。下馬評で名前が取り沙汰されたトニー・ブレア氏(前英首相)でも、メルケル氏(ドイツ首相)でもなかった。
たまたま私は11月上旬に『衝撃!EUパワー 世界最大「超国家」の誕生』(朝日新聞出版)を出版しばかりで、EUが21世紀の超国家として登場してくる最初の振り付けが大切である、と述べたところである。私にとってもかなり意外な人選であり、正直、非常にがっかりした。
大方の予測を裏切ってベルギー首相のファンロンパイ氏に決定
まずはファンロンパイ氏の簡単なプロフィールを押さえておこう。下の図を見ていただきたい。

ファンロンパイ氏がベルギー首相に就任したのは2008年12月30日のこと。首相としての実績も1年に満たない。フランス語を話す南部ワロン系とオランダ語圏の北部フラマン系の対立を調整し、ベルギー国家分裂の危機を回避した「調整型の人」と言われている。90年代にはベルギーの予算相を務め、債務残高の大幅削減に尽力した。ベルギー国内ではそれなりの偉業を達成していることは認めよう。悪い人物ではないのだろうが、今の世界情勢を俯瞰した場合、EU大統領にふさわしいとは思えないのである。
日本人から見れば「趣味が俳句」というのだから多少興味もわくが、英語に翻訳された俳句(オリジナルはオランダ語)を見ても、何を言いたいのかその価値が私にはわからなかった。言語については、母語のオランダ語のほかに英・仏・独語を操るそうだ。彼の経歴をひもとくとこのような項目が挙がるだけで、失礼を承知で書けば、世界最大の超国家EU大統領にふさわしい人物とは言いがたい。
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