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河岸宏和
中国では「防損部」
主に小売業、流通業などの企業には「ロスプリベンション」(Loss=損害、Prevention=予防)という考え方、手法があります。ロスにつながることを事前に予見して、被害を最小限に抑えようとするものです。中国ではこのロスプリベンションを「防損部」と訳していました。まさしく「損を防ぐ部門」ということになります。
守るべきものは「お客様・従業員の安全」「環境」「商品」「建物・設備」「現金・金券」などになります。会社の要人が小売店舗を訪問するとき、その要人が暴漢に襲われないように守ることもロスプリベンションの仕事になります。
日本でいう「品質管理」の組織もロスプリベンションに含まれます。商品へのクレームが発生してから対策するのではなく、クレームが発生しないよう事前に起きそうな出来事を予見して、未然に防止することが求められます。
まず内部流出を防ぐ
スーパーなどの損失で一番多いのは商品の流出です。お客さんの万引き、盗難もありますが、それよりも従業員が黙って持ち出す内部流出のほうが多いといわれています。
中国のスーパーでは、従業員が大きなかばんを持って出勤してくると、帰るまでかばんを預けるようにしていました。従業員が退勤時にタイムカードを押したあとには、全員の持ち物検査を行っていました。
ある日本のスーパーでは、レジから500円玉を毎日1枚失敬している従業員がいました。たとえ500円でも積み重なればかなり大きな金額になってしまいます。
従業員を盗難で摘発してしまうと、不正を行った本人は不幸なことになってしまいます。不正を犯したくても犯せないような対策を考えるのがロスプリベンションの仕事です。
レジであれば、レジを打つ人に監視カメラを向ける、不正がしづらい自動つり銭機のレジに変更するといった対策を行います。スーパーの入り口に大きな防犯カメラが設置され、防犯カメラの映像が大画面で映し出されている店もあります。
もし、不正を行ったときには、防犯カメラの記録が残っているということが抑止効果になります。不正を行うことが困難だと従業員に思わせることが大切なのです。