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JALへの公的支援
誰が損をし、得をするのか

 以前、このコラムでJALに対する対応策について私なりの意見をお話ししました。JALに公的資金を入れるのならば慎重な議論が必要だと述べましたが、結局、政府はJALに公的支援をすることに決めました。皆さんは、この結論に納得が行ったでしょうか? 私は、多くの疑問を残しています。政府がJALへ公的支援をすることで、誰が損をし、誰が得をするのか、お話ししていきたいと思います。結論はこのままでは銀行が得をして、JAL自身は身軽になって再生ができないという点において得をしないということです。

一企業のために法律を作るのはおかしい

 JALへ公的資金を入れるという話になりましたが、私は、結論としては「おかしい」と思います。

 まず、企業年金の問題ですが、一企業のために法律を作ってまで年金をどうこうしようというのも変な話です。法律を作らなくても、既存の枠内でやろうと思えばやれることがたくさんあるからです。

 以前、新旧分離という話がありました。優良な事業である“Good JAL”と不採算事業である“Bad JAL”に分けて、Bad JALの法的整理などを行った上で、新会社に公的資金を注入するかどうかという話です。これを行えばいいのではないでしょうか。

 その際に、一つの手法として、既存のJALが新しいJALに営業権を譲渡すればよいのではないかと思います。全く新しいJALを作ってしまって、転籍したい人はしてくださいと。営業権を譲渡してしまうわけですから、転籍する際に雇用契約を結びなおせばいいのです。

 転籍したくない人や、昔の従業員などとの間の権利義務関係は旧会社に残すのです。旧会社は営業権を譲渡しているわけですから、新会社から営業権の譲渡資金として、たとえば数千億円などもらって、債務などを、労働債権などの優先順位の高いほうから順番に、ある程度整理してしまう。旧会社が債務をある程度返済した上で法的に整理し、お金が余れば株主などに分配すればいいですし、余らなければそのままなくなります。(実質債務超過と言われていますから、債務をある程度返済したら、株主にはまったく残らないとは思いますが)

 このようにして旧会社を法的整理し、新会社が日本のために必要だというのであれば、新しく債務も持っていない会社として、皆が支援すればよいと考えています。

 あるいは、新旧分離せず、民事再生法や会社更生法を適用し再生するというように、いずれにしても既存の枠内で対処をすれば解決できる話だと思うのですが、わざわざ法律まで作って対処する必要があるのでしょうか?

 民事再生手続きや会社更生法は、これまでも多くの会社が利用した実績のある、会社の“出直し”をスムーズにさせるための法的整理です。これらの対処法は、別に破綻させようというものではありません。

 JALは再生タスクフォースなどから「実質的に債務超過だ」と言われている企業です。そのような会社をこのまま存続させておくことは、リカバリすること自体ものすごく大変なわけですが、これから説明する他の理由も考えれば、民事再生手続きだとか会社更生法を利用するというのがふさわしいと私は考えるわけです。

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