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人をひきつける会社

自前主義という強み
〜「アンダーアーマー」のブランド姿勢〜

ドーム(1)

(取材・文=荒川 龍)

 「ドーム」(http://www.domecorp.com/)という社名より、おそらく「アンダーアーマー」というブランド名のほうが有名だろう。

 ゴルフなら伊澤利光、国内プロ野球なら中島裕之(埼玉西武ライオンズ)、米メジャーなら福留孝介(シカゴカブス)、ソフトボールの上野由岐子投手、アルペンスキーの皆川賢太郎など、日本のトップアスリートが愛用するスポーツアパレルだ。

 1996年創業の同社は同スポーツアパレルと、DNSなどのサプリメント、そしてアスレチックテープなどのスポーツメディカルの、アスリートを支える3事業を展開している。個々の商品紹介でメディアに露出したことはあるが、会社として登場するのは今回が初めて。社員数204名(09年5月時点)で、年商約100億円(08年度)。社員への取材を始めてみると、近年のビジネストレンドへのアンチテーゼをいくつか持っていることがわかった。

 今回はアウトソーシング主流の風潮下、同社が「ドーム主義」のひとつとして掲げる“自前主義”に焦点を当てる。

「現場が透ける」工夫

 アンダーアーマー(以下、UA)の商品カタログをめくっていたら、プロ野球の阿部慎之助選手(巨人)が、黒い長袖インナーシャツを着ている写真が目にとまった。UAの代名詞でもある、身体に密着して縦横無尽に伸縮する上に、吸汗速乾性に優れているコンプレッションシャツ。阿部は同社のアドバイザリーアスリートの一人だ。左前方から阿部の額に照明が当てられ、顔の右半分は影になっている。その身体に張り付くようなシャツを通して、彼の分厚い胸板や腹筋の隆起が透けて見えるかのようだ。ちなみに「アンダーアーマー」の「アーマー(armor)」は日本語で「鎧(よろい)」。

 「UAを店舗で買って家に帰ったら、もう、すぐに着替えてスポーツがやりたくなる。アスリートが戦う現場を透けさせることで、そういうワクワク感をユーザーの方々に与えたい。それがテレビCMや雑誌広告など、当社のすべての制作物に共通するコンセプトです」

 同社マーケティング本部ブランドマーケティング部クリエイティブディレクターの福田将之(37歳)の説明にうなずきながら、その写真が福田自身の撮影によるものだと聞き、筆者はページをめくろうとした手を思わず止めた。

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