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時評コラム

ニュース解説

「エコナ クッキングオイル」販売中止の波紋

2009年11月16日

(渡辺雄二=科学ジャーナリスト)

 花王は2009年9月16日、特定保健用食品(トクホ)の『エコナ クッキングオイル』に発がん性物質が含まれていたとして出荷停止を発表し、スーパーなどに販売自粛を要請した。このほか『エコナ ドレッシングソース』や『エコナマヨネーズタイプ』など関連の12種類の商品も同様の措置となり、同社は10月8日、消費者庁に対して、トクホの表示許可を返上する失効届けを提出した。「体に脂肪がつきにくい」という優等生のトクホが、なぜこんな事態になってしまったのか? 『健康サララ』や『ヘルシーリセッタ』など、ほかの類似のトクホは問題ないのか?

トクホの申請時点では、発がん性物質を含むことを予測できなかった

「なんのためにわざわざ高い油を買って使っていたんだ」−−。『エコナ クッキングオイル』を使っていた人たちからは、こんな怒りの声が聞こえてきそうである。「体に脂肪がつきにくい」ということで人気のあった『エコナ』。

 ところが実際にはメタボ対策どころか、油にふくまれる成分が体内で発がん性物質に変化する可能性があるというのだから、怒るのは当然だろう。出荷停止を発表した9月16日から10月4日までに、花王にはなんと約18万5000件もの問い合わせがあったという。

 その問題の成分は、『グリシドール脂肪酸エステル』というものだ。これは人間の体内で分解されてグリシドールという物質と脂肪酸になる可能性がある。このグリシドールが発がん性物質なのだ。世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)では、グリシトールを「人に対して発がんの危険性がある」物質に分類している。

 なぜこんな危険なものが『エコナ』に含まれ、あまつさえトクホとして認められてしまったのか? 答は単純で、トクホの申請時点では、こうした危険性がある物質ができてしまうことを花王が予測できなかったからだ。

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