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時評コラム

花岡信昭の「我々の国家はどこに向かっているのか」

民主党にしのびよる「ファシズム」の影

あまりにも強大な小沢一郎氏の権限

 発足早々の鳩山政権でひそかに重大視されはじめているのが、鳩山、小沢両氏の「冷たい関係」だ。党の役員会には代表である鳩山首相は出てこない。小沢氏に遠慮しているのだろう。「内閣は鳩山、党は小沢」という役割分担を明確にするのはかまわないが、首相と政権党の幹事長の間で意思疎通が十分にはかれないというのは、これまた困ったことだ。

 事業仕分けのグループに1年生議員が大量に入っていることを、小沢氏は「聞いてなかった。1年生にそんな難しい仕事ができるはずがない」と引き揚げさせた。小沢氏の命令はいまや絶対不可侵だから、この作業を任された枝野幸男氏も聞かざるを得ない。おかげでせっかくの事業仕分け作業のスタートが遅れた。

 党内には「小沢法が制定されたかのようだ」といった話が飛び交っているという。小沢氏の言うことはなんでも通るという法律がつくられたような思いが党内を席巻しているのだ。

「オザワシズム」なる言葉もひそかに出回っている。小沢とファシズムを重ね合わせたものだ。小沢氏の独断専行体質に加えて、もともと鳩山政権は「政治主導・脱官僚」を打ち出していたわけだから、これがひとつ間違えると、いかにも「棒をのんだ」かのような対応しかできなくなる。官僚を追い出して、大臣、副大臣、政務官の「政務3役」による会議をやるところが増えた。

 民主党とファシズムを重ねて「ミンファシズム」と呼ぶことにするか。本来、政治というのは調整の場であり、さまざまな利害が錯綜する中で徹底して論議をつくすことが民主主義の大前提であるはずであった。そんなことはいまさら言うまでもない。

 国会では与党質問をやらないというのも、なんともはやだ。内閣と党が一体だから、党側から質問することはないと言いたいのだろうが、実態としては、よけいなことを言って小沢氏に怒られるのを恐れているのである。

 新しい政治体質をつくろうという大方針はどこへ消えたのか。小沢氏は2年前の大連立騒動のさい、「民主党は若い政党で、政権担当能力に疑問が持たれている」と公言したが、皮肉にもそれを立証するシーンばかりが続いている。

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