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第25回 おいしい豆腐を選ぶために

2009年10月19日  RSS  コメント(2件)

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河岸宏和

鍋でスカスカになる豆腐

 秋風が吹いてくると鍋がおいしい季節になります。どんな鍋でも定番の食材は、白菜と豆腐でしょうか。よく煮えた豆腐を食べると体が温まります。

 ところが3丁100円くらいの安い豆腐を鍋に入れると、煮るほどに鍋の表面に浮かんできます。食べてみるとスポンジ状に“す”が入っていてスカスカになっています。

 「煮すぎてしまったからしょうがないや」と思ってはいけません。豆腐には煮るほどにスカスカになるものと、鍋で温めるほどに軟らかくなるものの二通りがあるのです。

 凝固剤に昔ながらの“にがり”を使用している豆腐は、鍋で煮ると軟らかくなり、冷めるとまた硬くなります。にがりを使用した豆腐は何度でも軟らかくなったり硬くなったりするのです。

 にがりは、表示に塩化マグネシウム(にがり)、塩化マグネシウム含有物(にがり)、あるいは粗製海水塩化マグネシウム(にがり)と表示してあります。

 スカスカになってしまう豆腐は凝固剤にGDL(グルコノデルタラクトン)を使用しています。

大豆のおいしさ

 お年寄りの方で「昔の豆腐は硬くておいしかった」と言う方がいます。戦時中、にがりは軍需品だったため、豆腐に使う凝固剤は主に硫酸カルシウムでした。以降しばらくそれが主流になったことで、大豆のうまみが少ない豆腐が多く流通しました。確かに現代でも、軟らかくて大豆のおいしさを感じないものがあります。

 豆腐は大豆、水、凝固剤から作られます。豆腐屋さんはおいしい水を求めて工場を建てるので、おいしい水の出るところに豆腐屋さんがあります。逆に言えば、おいしい豆腐屋さんのある地域の水はおいしい場合が多いのです。

 昔の豆腐屋さんは、にがりを使い、大豆をたくさん使って豆腐を作っていました。1俵(60kg)の大豆から400丁程度しか豆腐を作ることができませんでした。ところが先ほどの、GDLを使用した3丁100円くらいの豆腐は、1俵(60kg)の大豆から700丁以上の豆腐を作ることができます。ただし、おいしさは半分以下になってしまいます。


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