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「ベーシックインカム」~就労を問わない大胆な「所得保証」とは?(1/4ページ)

2009.10.23

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(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

イラスト:小林商事
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 低所得者に対する支援は、世界各国で大きな政策課題となっている。そんな中、欧州を中心に「ベーシックインカムを導入すべし」との議論が盛んになった。これは政府が全国民に対して、一定の現金を定期給付する制度を指す。就労の意志などの条件は一切問わない。一見すると社会主義的なバラマキ政策にも見えるが、実は市場原理主義や新自由主義の立場からも大きな注目を集めている政策なのだという。

 日本の社会保障は破綻状態に近い。例えば年金制度は少子高齢化を背景にその持続可能性が疑問視されるように。また生活保護制度では、本当に保護すべき人が申請を受理されない一方で、制度を悪用して不正受給に走る人もいる。昨秋以降の景気悪化では職や住まいを失う人が増加。社会保障の必要性が一層高まったのに、これが十分に機能していない。

 そんな中ベーシックインカム(basic income, 以下BI)という政策アイデアが注目されるようになった。直訳で「基本所得」を意味する。日本では2007年ごろからBIを取り上げた書籍が増加。『ベーシック・インカム~基本所得のある社会へ』(ゲッツ・W.ヴェルナー著、現代書館)などの書籍が登場している。また新聞などのメディアでもBIを紹介する記事が増えた。

 BIとは「政府が全国民に対して、一定の現金を定期給付する」制度だ。ここで言う全国民とは、日本では1億2700万人の全員を意味する。年齢、所得、資産、勤労の意志などは一切関係ない。また支給するのは、フードスタンプなどの用途限定型のチケットでもなければ米などの現物でもなく、あくまで現金だ。さらに言えばこれは定額給付金のような一度限りの政策ではなく、定期的に継続する仕組みである。金額は「生活最低限の必要額」とする議論が多い。

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