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その陰に世界規模での「売る努力」あり

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社会全体が「事件」として捉えてくれた
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EMIミュージック 「ザ・ビートルズのリマスター盤」(2)

2009.10.16

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(聞き手:諏訪 弘=フリーライター)

(前回記事はこちら

 リマスターによって生まれ変わったザ・ビートルズ(以下、ビートルズ)のアルバムを、いかにして売るか。それがEMIミュージック・ジャパン(東京・赤坂)に課せられた使命だった。どのようにしてリマスターの効果をアピールするか。いかに新しいファンを発掘するか。そうした「売る側」の不断の努力があればこそビートルズはその魅力を保っていける、とEMIミュージック・ジャパンの大島隆義さんは語る。

EMIミュージック・ジャパン マーケティング2部主任の大島隆義さん。ビートルズのプロモーションに携わるようになったのは2003年からという。手にするのは全14枚をセットにした「ザ・ビートルズ BOX」

リマスター盤購入のボリュームゾーンは40代以上の「買い替え需要」

――ウェブでのプロモーション活動は、私もいくつか目にしました。ビートルズのオリジナルアルバムとしては初のリマスター盤あることはいずれのメディアも大きく謳っていましたが、しかしリマスターによってどれだけ音が良くなったかの具体的な訴求はあまりなされていないように感じました。

 大島 そう指摘されると確かにそうかもしれませんね。昨今はPCまわりのAV環境もずいぶん向上していますし、だからウェブ上で新旧アルバムの聴き比べみたいな企画をやっても良かったのではないかな、と個人的には思います。ただそれは、実現は非常に難しい。権利問題? もちろんそれもありますが、何よりビートルズのポリシー的にできないのだ、とご理解いただきたいです。

 ただ、実際に聴き比べしていただくことはできないまでも、リマスターの効果については機を捉えてアピールしていたつもりです。音楽雑誌に積極的にパブリシティーを出したり、レビューで取り上げていただけるよう働きかけたりとかね。そしてそれは、ある程度以上に効果を挙げたと自負しています。なぜならば、この新しいリマスター盤は爆発的に売れているからです。

 当初、弊社ではトータル100万枚の売り上げを目標に設定していました。ところが蓋を開けてみると、わずか1カ月足らずで倍の200万枚が売れ、今では350万枚突破も視野に入るほどになっています。2009年9月に限定していえば、ビートルズこそ洋楽・邦楽問わず一番売れたアーティストでしょう。購入のボリュームゾーンは40代以上のファン。すなわち、すでにビートルズのCDをお持ちだと思われる方なのです。いうならば買い替え需要を強力に喚起したわけで、これはリマスター盤の価値が伝わった証拠にほかならないと考えています。

 話は戻りますが、リマスターの音をまったく公開していない、ということもないのですよ。弊社のウェブサイトのビートルズ特集ページでは、今回のリマスターをストリーミングで流しています。これはビートルズの有名曲・人気曲の一部をコラージュ的に再構成したもので、だから1曲丸ごと視聴できるわけではありません。それでも「公式」にビートルズの楽曲をウェブに流すのは、実はこれが初めてなんです。

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