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坂口菊恵「男と女の付き合い学」ビジネス

男と女の付き合い学:【最終回】男の競い合い、女の競い合い(1/5ページ)

2009.10.28

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(写真:田村 充)

(前回記事はこちら

 前回は人と人との葛藤のパターンを調べる方法として、殺人の記録を分析するという方法を紹介しました。

 一般的な報道ではセンセーショナルな事件が大きく取り上げられます。また、短期間に生じる目先の社会的変化を見いだすことに関心が集中するため、人間の普遍的な特徴や、変化の法則性を理解することからは目が背けられがちです。

 しかし、長期的にデータを集めてさまざまな地域や時代で比較してみると、共通のパターンが見えてくるとともに、人間の行動傾向で変化しうる部分はどういった点なのかが見えてきます。殺人は件数の少ない極端な出来事ですが、各地で公的な記録が残されているため、そうした分析を行うのに適した題材なのです。

坂口菊恵氏

殺人を犯す危険性が高い年代は?

 戦争や内戦が起こっているときにはパターンがずれてくることが考えられますので、大量殺人が起こっていない平和時の状態を想定します。殺人の加害者や被害者になるリスクを予測するもっとも主要な要因は何でしょうか? それは、性別と年齢です。男性は、人を殺す確率も、殺される確率も女性よりもはるかに高いのです。男性は10代の後半から20代にかけて殺人を犯す危険性が極端に高くなりますが、女性が殺人をする確率は生涯を通じて低いままです。

 こうした年齢と性別のパターンは文化や社会にかかわらず普遍的に見られます。近年の日本では男性の殺人者の年齢ピークが中年層に推移する現象が見られます。しかし、生まれた年代ごとに、その世代の人たちが殺人を犯すピークは何歳なのか年齢による殺人率の変化のグラフを描いてみると、日本のケースは普遍的なパターンから外れたものではないことが分かります。

 日本の「殺人率」は戦後急激に下がっています。全体としてあまり殺人事件を起こさなくなっている戦後の若い世代が「20代だったころ」と、全体として殺人の頻度が高かった戦前派・戦中派が中高年になって落ち着いてきた状態における「殺人率」を比べると、後者の方が高かったりします。こうしたさまざまな世代の人々をまとめて統計を取ることにより、日本の状況が特殊であるような見かけが現れているだけなのです。

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