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松本すみ子の団塊消費動向研究所ビジネス

中高年回帰で百貨店不振を打破(1/3ページ)

安心と夢を売るビジネスに

2009.10.14

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 百貨店の販売が不振だという。不景気の真っただ中、あらゆる商品で低価格路線が強まっている時期に、比較的高級路線を引いている百貨店に足が向かないのは分かる。しかし、振るわない理由はほかにもある。高齢社会への危機感ゆえに、若年層の囲い込みに気を取られ、本来の顧客である中高年層への対応がないがしろになったこともあるのではないだろうか。

 自分たちの欲しいものがなくなってしまったと感じている中高年顧客を呼び戻すことが、再生のカギとなることは間違いない。

最近デパートには行ってない

 日本百貨店協会が9月に発表した統計によれば、8月の全国百貨店売上高は前年比8.8%マイナスで、連続18カ月の前年割れだという。特に、衣料品、(美術装飾品などの)高額商品の売り上げが減っている。衣料品は天候に影響される。今年でいえば、冷夏で衣料品などの季節ものが売れなかった。ただ、これは百貨店に限ったことではない。

 高額商品の販売が振るわないのも景気から判断して分かるが、気になるのは「入店客数の増減」の部分だ。ほとんどの店で減少したと回答している。しかし、百貨店以外では増えているところもある。お客さんが来ないのでは、高額品どころか、通常の商品も売れないということだろう。統計には書かれていないが、そのあたりの理由をきちんと分析する必要があるのではないだろうか。

 10月12日の日経新聞に、この1~2年の百貨店の利用頻度を聞いた調査結果が掲載されていた。「百貨店に行く回数が減った」と答えた人は40%、「行っていない」と答えた人は18%もいた。行かない理由としては「買いたいものがない」が52%、「商品価格が高く満足できない」が44%、「スーパーの品ぞろえで十分」が27%。消費者の百貨店離れが深刻だと結論付けている。

 百貨店不振はずっと以前から言われていて、理由はほかにも挙げることができる。一つは百貨店に代わって消費者の関心を呼びそうな場所や業態が次々と出現していること。JR東日本の「ルミネ」に代表されるファッショナブルで便利な駅ビル、ターミナル駅構内にあるショッピングゾーン、丸の内仲通りや表参道ヒルズ、東京ミッドタウンなど高級感のある再開発地区も誕生した。さらには、ネットショップでの購入も今や当たり前になっている。

 また、不景気のため節約志向にあり、ユニクロなどの低価格販売店に消費者が流れた。在庫処分品や規格外の商品を格安で販売するアウトレットモール、衣料品や家具などの外資系格安ショップも次々と進出してきた。競争相手の増加、新しい業態の誕生、価格競争の激化など、消費者には有り難いものの、従来型の百貨店には不利な環境が生まれている。

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