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時評コラム

大前研一の「産業突然死」時代の人生論

アフガンとミャンマー、米国の姿勢に変化

2009年10月14日

 中近東やアジアの内戦・紛争に積極的に介入してきた米国に対して、逆風が吹き始めている。

 たとえば、アフガニスタン。EU加盟国の国防大臣らは9月28日、米国政府が検討しているアフガニスタンへの兵力再増派について慎重な姿勢を示した。なかでも、イタリアでは撤退論・削減論も高まっている。9月17日にアフガニスタンでイタリア軍兵士6人が自爆攻撃を受けて死亡したためだ。

米国に漂うアフガン派兵への疲労感、そして日本はどうする?

 オバマ氏は大統領選の際、「(テロリストの)問題を解決すべきなのはイラクではなく、アフガニスタンだ」と主張して当選した。そして実際、イラクの米軍は撤収に向かっており、今年のうちにほとんどの兵士がイラクを去ることになるだろう。その代わり、手薄になっていたアフガニスタンに増兵しようというわけである。

 しかし、ここで思い出すのはロシアの苦い経験である。1970年代から80年代にかけてロシア(当時はソ連だが)はアフガニスタンに軍事介入した後、撤退した。そのときのロシアの疲労感と同じものが、現在の米国にも出始めている。EUだけでなく、米国民もアフガニスタン慎重論に傾くことは、オバマ大統領にとっては頭の痛いことだろう。

 この問題は日本の鳩山首相にとっても大きな課題となる。鳩山首相は、インド洋での給油活動を止め、教育や職業訓練など民生分野でアフガニスタンの問題解決に協力する方針を示したばかりである。その方針にはわたしも賛成だが、仮にアフガニスタンの戦闘状況が悪くなると、鳩山首相は自分の考えを貫けなくなる可能性があると見ている。

 つまり実際に戦闘状態が悪化すると、米軍から「自衛隊にも手を貸してほしい」と依頼される局面もあるだろう、ということだ。前国務副長官のアーミテージ氏の言葉で言えば、「boots on the ground」と日本に迫ってくると思われるのだ。つまり、「アフガニスタンの地を軍靴で踏むのか踏まないのか(自衛隊を出すのか出さないのか)」を問うてくるだろう。

 民主党の小沢幹事長の考えは鳩山首相とは異なる。小沢氏はアフガニスタンに自衛隊を正規の軍隊として派遣する持論がある。自民党時代からPeace Keeping Operation (PKO=国連平和維持活動)ではなく、Peace Keeping Force (PKF=国連平和維持軍)という考えを主張しており、その必要があれば、自衛隊は国連軍と一緒に戦闘部隊として活動するという認識を示している。もしそのような方向に進むのであれば、日本の政局は極めてややこしいことになるだろう。

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