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Web制作現場の“非常識”ライフ

「実名公開」がネットの誹謗中傷を
減らすという勘違い(1/5ページ)

2009.10.14

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匿名だから無責任で「誹謗中傷」も発生するのか?

 いわゆる「またか」である。正直なところ「ネット上でも実名で表現を(勝間和代のクロストーク 毎日jp 10月4日)」には、少なからず「ウンザリ感」がともなう。

 なんといっても「ネットで実名を」は、けっして目新しい主張ではない。インターネットが普及するとともに、何度となく繰りかえされている。しかも、ユーザの間から「実名を」の声が沸騰した事例は、記憶している限りまずない。だいたいが、評論家や学識経験者が「実名にすれば『誹謗中傷』は防げる」的な見解を発表し、多くのユーザが反対するというパターンをたどってきた。

 そもそも、「ネットで実名を」の背後には、「匿名だから無責任で『誹謗中傷』も発生する」という発想がある。だから「実名を公開すれば」なのだろう。つまり「実名=責任のある発言=『誹謗中傷』も減る」という構図である。

 しかし、この発想は思いこみに近い。「無責任」や「誹謗中傷」の根拠を、「匿名か実名か」の条件にのみ求めるのは、あまりにも一面的すぎるだろう。

 その実証例がひとつだけある。インターネットが身近ではなく「パソコン通信(現在の掲示板のようなもの)」が主流だった時代、運営をお手伝いしていたのが「氏名公開のパソコン通信」だった。いまでもパンフレットを覚えているが、キャッチフレーズは「交流と創造」と「氏名公開で責任ある意見交流と情報交換」である。

 条件は違うが、まさしく「ネット上でも実名で表現を」の実例に違いない。当時、大手の「パソコン通信サービス」は、大都市の人口に匹敵する会員数で、どちらも「匿名」だった。もしかすると「氏名公開」の「(有料)パソコン通信サービス」は、関わっていたそのサービスだけだったかもしれない。

 もし「匿名か実名か」が成立するとしたら、「実名公開のパソコン通信」では「『誹謗中傷』などのトラブルも少なく」、「匿名」の大手サービスでは「トラブル続出」となるはずである。ところが、いろいろあったにせよ、「匿名」サービスは「トラブル続出」だったわけではない。逆に「実名公開だから少なかった」と断言するのも無理がある。

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