トップ > ニュース解説 > 「所得格差」が「教育格差」を生む冷酷な現実

ニュース解説ビジネス

「所得格差」が「教育格差」を生む冷酷な現実(4/7ページ)

2009.10.13

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

格差は小学校時代から始まっている

 親の所得格差で子どもに与えられる将来展望や説得力に大きな差が出ている点を既に指摘したが、そうだとすると、こうした格差は既に小学校時代から始まっていることになる。それは、文科省の全国学力テストの分析からも裏付けられる。所得の高い家庭ほど子どもに対する指導、しつけが行き届いて、結果的に子どもの学力に大きなプラスとなるのである。

 だから、表面的な「所得格差」を追うのではなしに、大都市を中心として子どもの教育に無関心な家庭がじわじわと広がり、結果的に基礎学力が低い層が固定しつつあることに注目する必要がある。そういった家庭の子どもは展望を持てず、将来何をしたらよいかよく分からない。しかも、メディアの学校の抑圧に対するキャンペーンが行き過ぎた結果か、親の権利意識ばかりが強くなり、学校でも子どもを押さえつけられなくなっている。将来に展望を持てず、一方学校からの強制もなくなれば、子どもが勉強しなくなるのも当たり前と言える。

 小中学校の頃から勉強についていけず、親も子どもも大学進学などあきらめている層が次第に広がっている。しかも、この問題は小学校から始まって累積的に拡大し、高校時代にピークアウトする。高校3年生では、1日3時間以上勉強する生徒が半分くらいいる一方、約3分の1はほとんど勉強をせず、宿題もせず、そもそも教科書を自宅に持って帰らない。こうした層は将来に向けた努力を、はなから放棄してしまっているのだ。学校に行っているだけでも意義はあるのかもしれないが、「学習」というものは、教えられる部分と自分で学ぶものとで構成される。後者が欠けているとすると、教育の効果は期待できない。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連トピックス

    • 会員登録 ログイン
    • マイフォローとは?
    nikkei BPnet 会員サービス
    トピックを選ぶ!フォローする 自分のメディアを組み立てる! マイフォロー

    おすすめ情報【PR】

    締切間近のセミナー