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「所得格差」が「教育格差」を生む冷酷な現実(3/7ページ)

2009.10.13

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所得が高い親は、子どもへの確かな動機付けができる

「保護者の収入が多くなるほど右肩上がりに大学進学率が高くなる」「特にこの傾向は私立大への進学で顕著になる」というほぼ事前の予測どおりの結果となった。

 この調査は多くのことを示唆している。ひとつには、所得が高い家庭のほうが子どもの成績がよいという傾向があることだ。これは、塾に行かせたり家庭教師を雇ったりという補助的な教育の差よりも、高所得の親は子どもの将来のキャリアに対する確かな見通しを持っている点が大きい。小さいうちから子どもをしつけ、動機づけをしていくことが、家庭で比較的できているということだ。逆に言えば、所得が低い家庭では、こうした子どもへの動機付けが欠けているということになる。

 また、そうした傾向とは別に、成績が優秀なのに経済的理由で進学できない層が確実に存在するということだ。例えば親が病気になって収入が途絶えた、離婚などによって母子家庭となり、収入が少ないなどの家庭である。特に最近の離婚率の上昇やリストラによる失業でこうしたケースは顕著に増えている。

 そうした家庭のために奨学金があるのではという意見もあるだろうが、それらはすべて「ローン」であって返済義務がある。そのため、所得が低い層の人たちは奨学金を借りたがらない。特に最近は、大学を卒業しさえすれば就職ができ、奨学金を返済するのに十分な収入が得られるという保証がなくなったことも大きい。

 救済措置として以下のようなことが考えられる。卒業後の所得を確実に捕捉して、所得が低い人には返済免除をする一方で、返す能力のある人からはきっちりと取り立てることが必要となるだろう。また、入学前に親の所得を調べ、必要な層には授業料免除などの措置をとることも考えられる。

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