直前までリマスター盤の制作を知らなかった

――英国でリマスター盤の制作が進んでいるのを知ったのはいつのことですか。

 大島 ビートルズのオリジナルアルバムをリマスターして発売するとアナウンスしたのが今年(2009年)の4月7日。私はその直前に知りました。逆にいえばその時まで、リマスター作業が進んでいることはまったく承知していなかったのです。ビートルズは非常に厳密なイメージ管理をしていますので、そういうことは決して珍しくありません。

 リマスター盤が出ると知ったときですか? そりゃあ興奮しましたよ。「これはすごいビジネスチャンスになるぞ」と。また、いちビートルズファンとしても「一刻も早く新しい音を聴いてみたい」とも思いました。何しろ最初のCD化から20年あまりが経過しています。この間の技術の進歩には凄まじいものがある。21世紀のテクノロジーでリファインしたビートルズがどんな音になっているか大変な興味がありました。

 実際、手にしたリマスター盤は大変に素晴らしいもので、「これなら耳の肥えたファンの方にも納得していただける」と確信しました。私は主に紙媒体とウェブのマーケティングを担当しておりますので、この方面でリマスター盤の素晴らしさを訴求し、「売る」ための手筈を整えていったのです。具体的には、各種フライヤーをつくったり、朝日新聞の広告部に協力をお願いして記事広告を制作し、号外の体裁にして駅で配布してみたり。いずれも大きな反響をいただきました。

 ウェブ関係では、13のポータルサイトとパートナーシップを組んでパブリシティーをさせていただきました。それとは別にYahoo! JAPANのトップページに継続的にバナー広告を出して、自社の専用サイトへの誘導をはかりました。これは非常に多くのアクセスを集めました。このバナーをご覧になってリマスター盤の発売を知った方も多いのではないでしょうか。

(敬称略)

次回へ続く)