其(そ)の或いは周に継ぐ者は、百世と雖(いえど)も知るべきなり
(現在の周王朝を継ぐ者は、たとえ百代先の王朝でも、どんな形になるか予想がつく)為政(いせい)篇
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『論語』とそれを源流とする儒教の考え方は、後世にさまざまな影響を与えていきますが、その驚くべき例の一つに、フランス革命があります。現代の民主主義や人権思想の源流であるフランス革命、そして封建思想の典型のような『論語』、二つはおよそ結びつきそうにないものですが、そこには意外な繋がりがあったのです。
そもそものきっかけは、キリスト教の神父たち、特に日本史の教科書でもおなじみの、フランシスコ・ザビエルが所属していたイエズス会士の布教活動でした。
彼らは積極的に東アジアに進出、熱心な布教活動とともに、世界各地の知の遺産を、自分たちで集約する活動にいそしみます。
現在、ネット検索の大手グーグルが、書籍の全文検索サービスに乗り出し、世界の知の遺産の集約と活用を目指している、とも言われていますが、それと同じことを、すでに十八世紀の宣教師たちが試みていたのです。
宣教師たちは『論語』や、『孫子』などの中国古典を次々と翻訳し、母国に伝えていきます。その結果、フランスの貴族の間では中国ブームが巻き起こります。ルイ十四世が中国服を着てパーティーに出席したり、マリー・アントワネットの書庫にも中国古典を紹介した書籍が収められていたそうです。
しかし皮肉にも、これがフランス革命の下地になっていきます。
当時のヨーロッパにおいて、国王の権威を支えていたのは、王権神授説でした。つまり、王たる者の権利は神から与えられているので、民衆には一切責任を負う必要がないとする考え方です。責任がない以上、民衆には過酷な政策が当然のように実施され、フランス国民は悲惨な状況に追い詰められていきます。




