(長嶋 修=不動産コンサルタント)
止まらない地価下落
9月17日、国土交通省から7月1日時点の都道府県地価調査(基準地価)が発表された。それによれば、全都道府県の商業地、住宅地とも平均地価が前年より下がった。これは75年の調査開始以来初めてのことだ。下げ幅も全都道府県で前年より拡大した。
特に東京、大阪、名古屋の三大都市圏の商業地の下落幅が大きい。これは、商業地がREITなどを通じて半ば金融商品化されているところへもって、リーマンショック後の資金の引き上げや、その後の融資の引き締め、買い手の不在や景気後退による賃料の下落などが主たる要因である。
一方、住宅地は下げ幅は商業地より小さいものの、なんと18年連続の下落。やはり景気後退による影響が大きく、特に新築住宅需要の減退が響いた。また、新築マンションの売れ行きも、2008年初頭からの悪化に歯止めがかからない情勢だ。
こうした不動産市況の一方で、中古住宅販売はマンション・一戸建てとも非常に好調だ。このような状況は、過去の延長線上ではとらえられない。特に住宅の世界で、実は根本的な構造転換が起きていること、既に局面がまったく変わっていることを指摘しなければならない。