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日本的な美意識を世界に広める

ニッポンを伝える人たちライフ

自然の厳しさと美しさを表す盆栽
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盆栽作家・春花園B0NSAI美術館館長 小林 國雄さん(2)

2009.09.29

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(伝農 浩子=フリーライター)

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 今や世界中に広がる盆栽/BONSAIの愛好家。優れた盆栽作家は、Bonsai Masterとして、作家や愛好家の尊敬を集めている。海外での講演やデモンストレーションも多く、海外からの弟子志願者も多い盆栽作家の小林國雄さん。還暦記念に出版した集大成の作品集が大好評で、海外から注文が殺到している。

盆栽の厳しさに引かれて、その世界に入る

盆栽作家・春花園B0NSAI美術館館長
小林 國雄さん

 「春花園BONSAI美術館」を主宰する盆栽作家の小林國雄さんは、江戸川区の地場産業の1つでもあった草花栽培を営む親の元に生まれ育ち、園芸高校を卒業後、家業を継いだ。父の元で5年ほど草花栽培を続けた後、小林さんの提案でサツキ栽培に切り替える。折しものサツキブームで、商売はどんどん拡大していった。やがて、知人の日本画家から盆栽の魅力を教えられて、盆栽の持つ生に対する厳しさに引かれ、盆栽の道に入った。

 「盆栽は厳しいから美しい。死んで白くなった部分と生きている部分が組み合わさった木の種類があるけど、例えばこの木は樹皮だけが生きている、その皮1枚で生きてる。樹齢600年の、その命を皮1枚でつないでいく。そこにすごさを感じて引かれるわけ。もののあはれ、朽ち果てていくもの、その厳しさに引かれる。私は梅がいちばん好きなんですけど、凄まじい冬を乗り越えて、皮1枚でも生きる、そのすごさと、そのふくいくとした香りが良いんだよ」

白い部分が「舎利(しゃり)」と呼ばれる白骨化した木。茶色の部分が生きている部分
[画像のクリックで拡大表示]

 盆栽の命の長さにも引かれた。1年草など、種を蒔いてから数カ月から1年で終わってしまう草花に比べ、盆栽は100年、200年、さらに1000年以上も生きている木もあるのだ。

 草花栽培を経て、サツキ栽培、そして盆栽を始めた小林さん。草花でも盆栽でも生き物という点では同じだが、テクニックはまったく違う。

 「どこかに弟子入りもしなかった。その代わり、いろいろな先輩にこっちから懐に入っていって、お酒飲みながらいろんなことを聞いて、教えてもらって、自分のものにしていったんです。本もたくさん読んで」

 寝る前は盆栽の本を読まない日はないくらい毎日、盆栽の本を読んだ。

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