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時評コラム

大前研一の「産業突然死」時代の人生論

本当の「高速無料化」と借金返済計画はこれだ

2009年9月29日

 民主党が掲げる「高速道路無料化」に批判が相次いでいる。

 日本道路公団法ができた昭和28年頃には国が貧しくて税金では高速道路をつくれない。だから20年間だけ有料とし、その後は無料にします、ということであった。この法律を反故にして民営化の道を走り始めたのはまさに小泉内閣の仕業である。わたしは当時から道路公団を廃止して、高速道路を国道「ゼロ号線」として法律通り無料にすべきだ、と主張してきた。

 今、民主党のマニフェストにある高速道路の無料化に関してさまざまな異論が出てきており、民主党も腰が定まらなくなっている。いずれ無料で開放されることが国の約束であり、本来的には喜ばしいことであるはずだが、なぜ批判を受けるのか。民主党の提示した案そのものに問題があるからにほかならない。一番問題になるのは、これまでの建設に要した莫大な借金である。その返済を先延ばしするだけの民主党プランでは、何も解決しない。

 そこで今回は、わたしが約7年前の2002年11月11日に作成した資料「高速道路問題」を皆さんにお見せしたい。当時、わたしはこの資料にある「プレート課税と無料化」に関しては雑誌などでも繰り返し発表し、自民党や民主党の幹部、それこそ麻生元首相や石原東京都知事にも、説明した資料である。今、これを公開するのは、わたしの説明に対して、政治家の理解がどれくらいズレてしまうのかを知っていただきたいからだ。そして今からでも遅くないので、わたしの「プレート課税による高速道路無料化」案を正しく理解してもらい、不毛な議論に終止符を打ってもらいたいと思うからである。資料に記されたデータは当時のものであることをお断りしておく。

そもそも道路公団の民営化は正しかったのか

 まずは当時の状況を説明しておこう。

 2002年11月というと、第一次小泉改革の真っ只中である。高速道路民営化のために小泉元首相が「民営化委員会」というおかしな組織をつくり、道路公団の改革に取りかかっていた。しかし、その動きを見たわたしは「これは間違いだ。まずいことになる」と考えた。

 何がまずいのか。小泉首相の委員会に対する御下問がすでに民営化ありき、でそのやり方に関しては諮問していたからである。民営化とは、要するに「有料道路の永続化」である。民営化すれば永久に道路公団、あるいはその民営化母体を残すことになる。それはそもそも法律違反ではないか。「高速道路はいずれ無料化し、道路公団も20年で廃止する」という法律があったわけだし、また高速道路のような公共財を民営化して課金している国はむしろ稀でもあったからである。わたしの資料の初めにある問題提起の部分を下に示す。本来ならこうした設問に対して小泉首相は熟慮した上で、民営化という選択肢に至った経緯を国民の前に示すべきであった。

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