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民主党政権で雇用は回復するのか~労働市場の構造変化に即した制度改革を(1/5ページ)

2009.09.18

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(土居丈朗=慶応義塾大学経済学部教授)

政策に期待すべきは、構造的失業の解消

 雇用の回復は、基本的には景気の回復がなければ実現不可能で、政策で失業率をコントロールするのはあまり期待できない。手をつけるべきは、労働市場における構造的な労働需給のミスマッチや、正規雇用者と非正規雇用者の極端な待遇の差などの解消で、本質的な制度改革をしないと問題の解決につながらない。

 民主党政権はマニフェストで製造現場への派遣を原則禁止するなど、非正規雇用者の問題に取り組む構えを見せているが、こうした指向が行き過ぎて、非正規社員の入職規制を広げたり、正規社員と同等の待遇にするなどの極端な政策を取れば、失業率を上げるだけだ。企業内での熟練など何らかの差があって賃金に差があるわけだから、その差はきちんと認めないといけない。

 それよりも問題なのは、年金などの社会保険の部分だ。正規雇用者と非正規雇用者の待遇差は、賃金と労働時間の問題以上に年金、健康保険、失業保険などの社会保障にかかる部分がかなり大きい。厚生年金に入れないため割高な国民年金に入らざるを得ないとか、国民健康保険に入らざるを得ないとか、職場以外のところでの差別が主たる問題であると考えている。この問題を解決すれば、派遣労働の制度を温存しても、病気の保証、失業への備え、老後の保障などのセーフティネットは担保されることになる。その上で、高い給料で雇ってもらいたいならば、あとは自分を磨いて努力して認められるようにすればよい。

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