リーマンが変えた仕事観
中小、若者が開花させる日本の社会事業
対談:ソーシャルビジネスをめざせ(前編)
ASU International社会責任コンサルタント 斎藤 槙氏×TABLE FOR TWO 小暮 真久氏
(文/井上 晶夫、写真/木村 輝)

1972年東京生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、オーストラリアのスインバン工科大で人工心臓を研究。1999年、マッキンゼー東京支社入社。同社米国ニュージャージー支社勤務を経て、2005年松竹入社。経済学者ジェフリー・サックス氏との出会いに感銘を受け、2007年、TABLE FOR TWO Internationalを創設。日本、アフリカを拠点に活動している
世界中に蔓延する環境破壊や貧困、様々な差別などの問題を、ビジネスの手法で解決しようとするソーシャルビジネスのシーンが加速して盛り上がりつつある。企業の社会責任をテーマに、精力的に本の執筆やコンサルティング活動を行っている斎藤槙氏と、“20円”で途上国の貧困と先進国のメタボリックシンドローム問題の解決を試みるTABLE FOR TWOの小暮真久氏に、ソーシャルビジネスの現状と展望を語っていただいた。前後編にわたって対談をお届けする。
小暮 斎藤さんが翻訳された『ソーシャルビジネス入門 「社会起業で稼ぐ」新しい働き方のルール』には、海外の事例が豊富に紹介されていますね。組織の規模は大きくはないが社会貢献を事業に組み込んだビジネス(ソーシャルビジネス)で成功している中小企業が米国にはたくさんある。社会起業、ソーシャルビジネスについての関心が高まりつつあるなか、このような本はとても参考になります。翻訳は斎藤さんが提案されたとか。

斎藤 そもそものきっかけは、10年ほど前に、この本の責任編集をしている米国の団体ソーシャル・ベンチャー・ネットワーク(SVN)の総会に出席したこと。SVNは、持続可能で公正な社会をビジネスを通して実現しようと考える起業家や経営者のネットワークです。アメリカで、1987年に創立されました。SVNとは総会からご縁が続き、日本で翻訳出版してくれる先を探して実現しました。
翻訳を思い立ったのは、日本で社会貢献型のビジネスを広めるには中小企業を動かす必要があると思ったからです。『ソーシャルビジネス入門』には、社会的企業(ソーシャルエンタープライズ)20社の事例が登場しますがいずれも元気な中小企業。具体的には、貧困地域向けにサービスを展開するコミュニティバンク(地域金融)の「ショアバンク(ShoreBank)」、女性の地位向上を重視する大手アパレルの「アイリーン・フィッシャー(Eileen Fisher)」をはじめ、100%オーガニックを追求するオーラルケア用品「アバロン・ナチュラル・プロダクツ(Avalon Natural Products)」ほか、業種を問わず紹介しています。
小暮 斎藤さんはこれまでも、企業の社会責任(CSR)や社会起業家についての本を書いていらっしゃいます。このような領域に関心を持つようになった背景を聞かせてください。
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