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時評コラム

日下公人の「現実主義に目覚めよ、日本」

「民営化」という名の敵前逃亡

2009年9月18日

駐車違反取締りの民間委託は、警察の敵前逃亡

 2006年に、駐車違反の取締りの民間委託が始まった。それについて、私は警察の敵前逃亡だと思っている。関西では、警察がベンツなどに違反切符を切ると、暴力団が怒る。彼らは警官の顔を覚えて脅すので、そういう危険な取締りの仕事を民営化するとは、警察の敵前逃亡である。

 顔を覚えられるのがトラブルの元であれば、どんどん人事異動をすればいい。または、駐車違反を県警で取締まらず、アメリカのFBIのような広域化した組織で取り締まればいい。個人的な妨害は、それをまた捕まえればいいのである。

 国家意識を持っていれば、そう考える。それが警察庁の仕事である。しかし、警察庁は都道府県警に丸投げした。そして、都道府県警は民間に委託してしまった。つまり、民間に丸投げした。

 民間に任せればうまくいくのか。それは、民度にかかっている。例えば、駅前で自転車を停めたとたんに寄ってきて、駐輪禁止のシールを貼っていく取締り員がいる。その人に何を言っても、「私は駐輪禁止区域での駐輪にはシールを貼れと言われているんです」となって、まったく融通が利かない。むしろ民間のほうが厳しい。

 公共事業の民営化の是非を問うなら、そうしたことも考慮しなければならない。役人に準ずる肩書きを与えると、役人よりも役人ぶる民間人がたくさんいる。

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