前回、衆院選について書いたところ、久しぶりに多くのご意見をいただいた。なんにしろ、反応があるのはうれしい。選挙の結果は予想どおり(というか、予想以上に)、民主党の圧勝となった。そこで、もう一度、政権与党となる民主党のマニフェストを眺めてみることにした。
そして、「税金のムダづかいと天下りを根絶」の部分を読んでいるうちに、ふと考えた。定年を迎えた元公務員はどのような第2の人生を送っているのだろう。公務員にも団塊世代がたくさんいる。公務員といえど、基本はサラリーマン。年金を満額受給できる年齢になるまで働く必要のある人は多いはず。だから、民間と同じように再任用制度もある。では、彼らは相も変わらず役所で働くのだろうか。
『官僚たちの夏』で知る公務員の辞め時
TBSが日曜日夜9時から放送しているドラマ『官僚たちの夏』を欠かさず見ている。原作が城山三郎の小説であること、実在のモデルと現実に日本の産業界に起こった出来事を基に描いてあるということで、さらに関心も興味も増した。久しぶりに見ごたえのある男のドラマで毎週楽しみだ。
知っている人は多いと思うが、『官僚たちの夏』の主人公・風越信吾のモデルは通商産業省(現・経済産業省)元事務次官の佐橋滋氏。「ミスター通産省」と呼ばれた剛腕で、いったん次官レースに敗れたものの、最終的には事務方のトップである事務次官に就任した。しかし、定年後は多くの天下り先を断り、政官界とは距離の置いた人生を送ったといわれている。この経歴とプライドの高さが、作家・城山三郎の創作意欲を刺激したのは間違いない。
佐橋氏の経歴を調べてみたら、退官は1966年。生まれたのが1913年だから、53歳で通産省を辞めていることになる。現在の公務員の定年は基本的に60歳。当時、定年が55歳だったとしても、やはり2年も早い。
キャリア官僚が早く退官するのは、トップの事務次官には一人しかなれないから、同期入省者や後輩が就任すると、それに敗れた人は必然的に辞めざるを得なくなるという不思議な慣行があるせいらしい。なんとももったいない話だ。そこまで育てたら、いくらでもほかに活用の道があるだろうに、これは税金の無駄づかい、人材の無駄づかいだ。
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