少子高齢時代の新たな「すまい」に関する「東京モデル」の具体像が見えてきた。僕が座長を務める「少子高齢時代にふさわしい新たな『すまい』実現PT(プロジクトチーム)」は、6月12日に第1回会合を開いて以来、これまでに8回の会合を重ねている。8月27日に行った第8回会合では、少子高齢時代の「すまい」について試案を示した。
老後を元気で暮らせるように「ケア付きすまい」が必要だ
試案は3つの柱からなっている。
まず、中堅所得層が適正な負担で入居できる高齢者向け住宅を供給する(中堅所得層向けの「ケア付きすまい」)。つづいて、生活保護受給者など低所得層でも必要な介護サービスが受けられる施設を提供する(低所得層でも利用できる「ケア付きすまい」)。さらに、地域の医療・介護サービスの公的な窓口となる「シルバー交番(仮称)」を設置して、高齢者を支援する(地域全体に「ケア付きすまい」と同様の安心を提供)。
これら3つの柱によって実現されるのは、高齢者が適正な負担で入居でき、緊急時対応や安否確認などの機能を備え、必要な場合には介護サービスなどが利用できる「すまい」である。
現行の高齢者向け政策は、国土交通省が「住宅」を、厚生労働省が「施設」を担当するという縦割り行政になっている。しかし、高齢者の多くは、住み慣れた場所で介護サービスを受け、子育て世代を含めた多世代とのかかわりを持ちながら、元気に人生を楽しみたいと考えている。縦割り行政では、高齢者の多様なニーズに応えることはできない。
現場を持っている東京都が率先して問題解決に取り組むことで、「在宅」か「施設」かという不毛な二者択一を乗り越えることができる。「在宅」が無理になったら特別養護老人ホームという施設に入るしかない、ではなく、「ケア付きすまい」で元気に暮らす選択肢を用意しなくてはいけない。高齢者の7割は、住み慣れた「すまい」での老後を希望しているのだから。
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