国の借金が増え続けている(リアルタイム財政赤字カウンター)。財務省による8月10日の発表で、国債と借入金、政府短期証券を合計した国の借金の総額が6月末時点で860兆2557億円になったという。3月末に比べて13兆7587億円増加し、過去最大額を更新した。主な要因は、税収の減少や経済対策に伴う借金が膨らんだこととされている。
次の政権を担うのが民主党であろうと自民党であろうと、この膨大な国の借金の解消に向けた政策が必要になる。だが現在のところ、両者のマニフェストはばらまき合戦。国の借金をさらに増やす方向にしか見えないのが嘆かわしい。
麻生政権のばらまき選挙対策で、日本の借金は増加
もっとも、日本の借金がこれだけ増えたことは今更驚くべきことではない。
日本経済は、ピークを迎えた1989年12月以降、衰退の一途をたどっている。その過程で、景気刺激という名のもとに国が無駄遣いをしたため、以前よりいっそう深刻な借金まみれの国家になってしまった。しかも“緊急”公共工事みたいなカテゴリーでこの間に300兆円以上のカネが無駄に使われている。バブル崩壊以降、税収が非常に少なくなっていたにもかかわらず、ほぼ一貫して政権を担ってきた自民党が将来から借金をしまくっていたのだから、当然といえば当然の結果である。
日本国の借金を国民一人あたりの額に計算し直すと、実に約674万円にもなる。「国民一人あたり」とは日本国民全員、すなわち高齢者や乳幼児も含めてだ。しかし、本当の借金の額はもっと大きい。年金債務なども含めれば、この2倍くらいになる。日本の借金は対GDP(国内総生産)比で見た場合、OECD(経済協力開発機構)の中で最大の額である。
かつては自民党も、小泉政権時代に多額の債務の解決に取り組んだことがあった。「プライマリーバランス」という言葉を打ち出して、借金への依存体制を改めようとして、国債の発行額を年間30兆円以内に抑えようとした。ところが現在政権を担っている麻生首相は、それをあっさりと翻した。今回の経済危機の中では、国債発行額30兆円以内という縛りをぶち破るのが責任政党としてのあり方だと、小泉路線を否定したのである。そして2兆円もかけて定額給付金をばらまき、さらに15兆円もの補正予算を成立させた。
麻生政権がこうした無駄遣いをしたのは、選挙対策にほかならない。これだけばらまきをしたら麻生人気が上昇し、選挙が有利になると信じていたのだろう。さもしいことだ。おそらく麻生首相を取り巻いている人々が「経済を刺激して、多額のばらまきをしたら、我々はあなたを支援する」かのような甘い言葉でも言ったのではなかろうか。しかし、国民は「定額給付金」をはじめとするばらまきなど求めていなかったし、アンケート調査でも過半数が「不要」と答えていた。選挙民の見識である。
そのうえ、麻生政権は15兆円もの補正予算を強行した。この15兆円の使い道については、税金を浪費することに長けた役人でさえ、使い道がなくて困ったほどだ。
いずれにせよ、選挙を有利にするという目先の目的のために国の借金を増やした麻生政権のおかげで、国民は返却不能な借金が雪だるま式に増えてしまった。これは日本にとって非常に重い十字架である。この重い十字架を降ろすために、民主党政権(政権を取ったらだが)は道筋を示す必要がある。「自分たちは借金を減らすために、こう考えている」と自民党との違いを明確に見せなくてはいけない。