米国では原爆投下を正当化する意見が多数派を占める
日本では8月には核兵器についての議論が高まる。言わずもがな、8月の6日が広島、9日が長崎と、それぞれ原爆投下の記念日だからである。一瞬にして無数の無辜の同胞の生命を奪い、後世代にもむごい傷跡を残した核兵器の使用を改めて否定する敬虔な儀式には心からの敬意を表したい。
今年の広島、長崎での記念の追悼式典は特に盛り上がりをみせた。米国のオバマ大統領が4月のチェコの首都プラハでの演説で核兵器の廃絶を求める意図を示す演説をしたからだろう。オバマ大統領はこの演説で「米国は核兵器を実際に使用した唯一の国として、核廃絶への行動を起こす道義的責任がある」と言明した。この言葉からは直接ではないが、広島や長崎に原爆を投下したという行為にも「道義上の問題がある」とする認識がおぼろげながらにじむようにも受け取れる。
だが米国側ではなお現在にいたるまで、「日本への原爆投下は正しかった」という意見が多数派である。米国政府は公式にもその立場を崩していない。8月5日に日本の新聞各紙でも報じられた米国の大学の研究所による世論調査でも、広島と長崎への原爆投下は「正しかった」と答えたのが全体の61%、「まちがいだった」と答えたのが22%という結果だった。米側の論理としては、原爆投下は日本の降伏を早め、その結果、多数の人命が救われた、というのである。だがこれはあくまで戦争の一方の当事者の考え方である。日本側としては、あの大規模な無差別殺戮を「正しかった」とは絶対に言えない。人道上や道義上の観点から、米国の原爆投下を判断のまちがいだとして糾弾すべきだろう。
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