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猪瀬直樹の「眼からウロコ」


地方分権改革への本気度を各党に問う

地方分権委員会の審議を踏まえ、すみやかに実行すべきだ

2009年08月11日  RSS 

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 全国知事会は8日、自民、公明、民主3党の総選挙マニフェスト(政権公約)のうち地方分権にかかわる政策を採点し、その結果を発表した。合計点は、公明党が66.2点、自民党が60.6点、民主党が58.3点となった(採点結果についてはこちら)。

 こうした結果の発表に至るまで、僕はテレビ番組や全国知事会主催の公開討論会で地方分権の議論に参加した。それらをとおして感じたのは、分権改革の中身が問われているにもかかわらず、本質をわかっていない議論が多すぎるということである。

地方分権改革と道州制の議論を混同するな

 最近とくに目につくのは、分権改革と道州制を混同した議論だ。自民党が「道州制基本法を早期に制定し、2017年までに移行」とマニフェストに入れたことをきっかけに、道州制が分権改革と関連づけられるようになっている。

 しかし、霞が関の権限や財源を地方に移すのが分権で、道州制という「入れ物」ばかりを強調すれば、国の出先機関がそのまま道州組織になるだけだ。出先機関を温存した国主導の行政体制になる危険性が高い。

 僕は2日の「サンデープロジェクト」(テレビ朝日系列)に出張先の静岡県浜松市から中継で出演し、道州制論議の危うさを指摘しておいた。同番組では、橋下徹・大阪府知事、中田宏・横浜市長、河村たかし・名古屋市長、そして司会の田原総一朗氏とともに、「地方分権で日本を変える!」をテーマに議論を交わした。

田原氏 猪瀬さん、地方分権にはどういうメリットがあるんですか。

猪瀬 霞が関の権限が地方に移ると、財源も移ります。そうすると、自治体が経営体として自主性をもつことができるようになる。そこが一番大事だと思うんですね。小泉内閣では道路公団の民営化をやりました。株式会社にしたら決算が重視されますから、そこでガバナンスが働きます。それから郵政を民営化して、60万人いた国家公務員を33万人に減らした。27万人は、株式会社のガバナンスの世界に移ったわけです。残る33万人のうち21万人が国の出先機関という形で地方にいる。県や市と二重行政になっているこの21万人を、税財源と一緒に地方に移せば、地方がひとつの経営体としてガバナンスが働くことになります。

田原氏 橋下さん、大阪は地方分権はいいんだけど、大阪府と大阪市は仲が良くない。

橋下知事 今まではそうでした。これからは道州制を目指しますので、10年後に大阪府を解消するというビジョンでいまどんどん整理をしています。

中田市長 道州制の前に、基礎自治体に権限を移していった方がいいと思うんですね。一番国民に近いのは基礎自治体ですから。

猪瀬 まず、霞が関の権限を都道府県に移し、都道府県の権限を市町村に移すことです。いきなり道州にして移すと、道州が国の出先機関になって終わってしまう。地道に具体的に権限を移していくことが大切です。最近の議論はどうしても道州に偏りすぎている。地方分権改革推進委員会の具体的な権限移譲の項目をまず片づけてから、道州制の話をしないとだめですよ。

Next:政党との公開討論会で政策の中身を見極める

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