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松浦晋也の「宇宙開発を読む」


先行き混沌のGXロケット
鍵はJAXA宇宙輸送系の企画力

2009年08月10日  RSS  コメント(12件)

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 7月21日、麻生太郎総理大臣は衆議院を解散し、8月30日の衆議院選挙が確定した。現状では自由民主党の支持率は低迷しており、民主党が選挙後の政権を取る勢いである。

 この結果、大変微妙な状況に立ち至った宇宙計画が存在する。GXロケットだ。

 GXは、文部科学省以下、官庁から有識者会議に至るまでが開発中止に傾く中で、担当メーカーのIHIは「GXは安全保障用途の打ち上げに好適」と主張し、河村建夫内閣官房長官がその主張を支持して開発継続の意志を打ち出したことから、開発継続の線が強くなっていた。官僚側は、河村長官の意志に対して引き延ばし戦術を採り、宇宙基本計画に「平成22年度概算要求までに技術的見通し、需要の見通し、全体計画・所要経費の見通しを踏まえ、開発着手に関して判断を行う。」と書き入れた。

 麻生政権が安泰ならば、政治優先を明記した宇宙基本法の体制下でGXの開発は継続しただろう。しかし選挙が8月30日に設定されたことで、河村長官の影響力は低下した。平成22年度概算要求は、7月から8月にかけて行われる。官がその気になれば、計画を中止にできる状況となってきた。

 しかし事情はそう単純ではない。ここにきて、宇宙輸送系分野では「産業政策上、三菱重工業への一極集中はまずい。IHIを支援すべき」という声も出てきている。となると、GX開発継続もあり得る。

 平成22年度概算要求が出そろう8月末までに、どのような決断をするのか──事態の決定権は政治家を離れ、宇宙開発戦略本部のトップを押さえている経済産業省の考え一つという状況になっている。

 私の見るところ、事の流れを左右するのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙輸送ミッション本部の企画力であろう。JAXAはGX計画の中で第2段に使用するLMGエンジンの開発と実際の打ち上げによる飛行実証を担当している。宇宙輸送ミッション本部が、「あくまでGXを作らないと飛行実証ができない」と主張するか、それとも「GXとは全く別の飛行実証手段が、GXを開発するよりも低コストかつ簡便に提供できる」と主張できるかが、GXの帰趨に大きな影響を与えると考える。

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