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わずか35グラムの耳かけタイプを作る

フロントランナービジネス

初代ウォークマンの誕生から30年
わずか35グラムの耳かけタイプを作る(1/4ページ)

ソニー ヘッドホン一体型ウォークマン「Wシリーズ」(1)

2009.08.06

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(聞き手:林田 孝司=フリーライター)

 ソニーが今年6月に発売した、耳にかけるだけのヘッドホン一体型ウォークマン「 Wシリーズ」は、1979年の初代誕生から30年を経たウォークマンにまた新しい価値を生み出した。このフリースタイル、「屋外へ持ち出して、歩きながら、動きながら楽しむ」という、初代から受け継ぐコンセプトそのものである。
 しかしデジタルオーディオプレーヤー(DAP)市場を見ると、ウェアラブルタイプ(身に着けられるほど小さな製品)は決して“勝ち組”ではない。音楽を携帯する文化を定着させた「ウォークマンブランド」が、これまでヒットしなかったウェアラブルタイプにあえて挑戦する理由は何か。「再び新しい文化を生み出したかったから」と語るのは、企画を担当したネットワークプロダクツ&サービスグループの木野内 敬さんだ。原点回帰を思わせる21世紀のウォークマン「Wシリーズ」が誕生するまでの経緯を聞いた。

ソニー ネットワークプロダクツ&サービスグループ パーソナルデバイス事業部門 企画MK部の木野内 敬さん

「いつでもどこでも音楽と一緒にいられる」を具現化

――「 Wシリーズ」は、本体とヘッドホンが一体となったネックバンドスタイルの新しいウォークマンですが、ユーザーに対してどういった価値を提供できるのでしょうか。

木野内 一番の特徴は煩わしかったヘッドホンコードをなくせたことだと思います。実際に購入されているお客様の約9割が、ヘッドホンコードがないことを購入動機に挙げています。実は、コードのないワイヤレスのウォークマンはテープタイプの頃からあるんです。当時私も企画に携わったのですが、本体はカバンの中にあって、レシーバーで操作するというものでした。最近では、Bluetooth(ブルートゥース)を利用した商品もあります。しかしBluetoothを利用すると、本体とレシーバーにBluetoothチップを搭載しなくてはいけません。両方に電気回路を持つということは、電池も両方に必要になります。すると、どうしても高額な商品になってしまいます。Bluetoothのレシーバーは1万円くらいするのですが、ワイヤレスという快適さのために、それがプラスアルファでいただける金額かというと、なかなか厳しいのではないかと思っていました。

頭の後ろにワイヤを回して装着。従来のヘッドホンコードの煩わしさから解放される。メモリー容量は2GBで、約1285曲が記録できる。重さはたったの35グラムだ

 ただ、ワイヤレスが快適なのは間違いない。もっと手軽にワイヤレスの良さを訴求できないか、常日頃から悩んでいましたが、すると自ずと大きさの話になります。ウォークマンは「より小さく」を目指してきましたが、究極の大きさってなんだろうと考えたとき、やっぱりヘッドホンなんですね。ワイヤレスどころか、レシーバーさえも存在しない。「いつでもどこでも音楽と一緒にいられるという姿が正しい」との気持ちがありました。ウォークマン「 Wシリーズ」は、その思いを具現化したものなんです。

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