時代を読む新語辞典

「弁当男子」〜一過性の流行? 定着する習慣か?

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(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

イラスト:小林商事
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 今年前半の流行語のひとつに「弁当男子」がある。狭義には自作した弁当を会社に持っていく独身男性を指す言葉だ。流行の背景には、景気悪化による節約志向、メタボ対策などの健康志向、男性の料理習慣を許容する価値観の変化などがあると思われる。流行が一段落した今、あらためてこの流行の意味について考えてみたい。

 弁当男子が話題になり始めたのは昨年12月からのこと。筆者が調べた範囲での初出は、東京ウォーカー(ウェブ版)2008年12月9日付けの記事「景気の影響!? オフィスに“弁当男子”が急増中」だった。同記事では「最近、お弁当持参の独身サラリーマンが増えた」という内容を伝えている。これを受け、昨年12月中には新聞での記事も登場。主要5紙の中では、読売新聞2009年1月10日付けの記事「"弁当男子"不況にカツ 独身に急増、1食200円以内に」が初出となっている。

 さてこれらの記事で登場する男性像とは、どのようなものだろうか。実は弁当男子の定義は、記事により若干のズレが存在する。狭義には「自分で弁当を作ってそれを会社に持っていく独身サラリーマン」を指すことが多い。だが広義には「自分で弁当を作る男性」(例えば妻子にも弁当を作る既婚男性も含む)程度に解釈されることもある。ただいずれも「弁当の自作」という部分は共通しており、そこがメディアにとっての最大の関心事であることが分かる。

 弁当男子の存在が認知されたきっかけは「弁当箱の売れ行き」だった。前述の東京ウォーカーの記事では、東急ハンズで昨秋から男性客に弁当箱が売れるようになったことを伝えている。この動きを受け、今年前半には他の大型小売店も専用コーナーを作るなどして対応。付随して「弁当の入るビジネスバッグ」の売り上げが伸びるなどの現象も現れはじめた。こうして弁当男子の存在が徐々に知られるようになる。

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