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全国学力テストの結果は開示すべきか(3/4ページ)

2009.07.31

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文科省vs知事の戦い

 学校に競争を強いることになる全国学力テストの結果開示を求める保護者が多いなかで、教育委員会は開示に難色を示している。同じ規制改革会議の調査で、市区教育委員会の86.7%が開示すべきではないと回答しているのだ。

 教育委員会が反対しているのは、それが文科省の方針だからである。全国学力テストの結果開示は各教育委員会の判断に任されることになってはいるものの、「文科省直轄」である教育委員会としては、その方針に逆らえないからだ。

 昨年9月8日の記者会見で、寺田典城・秋田県知事(当時)は、全国学力テストの結果を市町村教育委員会が開示しない場合、知事の責任において開示する可能性を示唆した。そして12月25日、知事は県内の前25市町村別の小中学校の成績を公表した。市町村別の成績を全面開示したのは、都道府県レベルでは全国初となった。

 この寺田知事の振る舞いに、文科省が不快感を覚えないはずはない。今年1月、4月に予定されていた秋田県知事選に、銭谷真美・文科省事務次官が立候補を前向きに検討している、と一部マスコミが報じた。この時点で寺田知事は立候補について明言していなかったが、事実なら文科省方針に反した寺田知事に対する文科省の「刺客」ということで、ちょっとした話題になった。それほど文科省は寺田知事の行為に不満をもっていた。

 結果として、銭谷事務次官の出馬は噂だけで終わったが、寺田知事も「任期は3期まで」という公約を守って出馬しなかった。しかし寺田知事や民主党の支援を受けて立候補した川口博氏は、自民党と社民党が支援した佐竹敬久氏に破れた。文科省の刺客が勝ったといえなくもない。

 そして今年は、「現在の知事は各教育委員会の判断に任せる方針で、自ら開示する方針はもっていない」(秋田県教育委員会)という状況だ。文科省としては、「一安心」といったところかもしれない。

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