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花岡信昭の「我々の国家はどこに向かっているのか」ビジネス

民主党マニフェストはどこがまずいのか(1/4ページ)

2009.07.30

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「国家像」がどうにも見えてこない

 鳩山由紀夫代表が鳴り物入りで発表した衆院選マニフェスト(政権公約)は、ほぼ予想通りの内容だった。一読して、まことに申し訳ないが、これによって「民主圧勝ムード」が冷えていくのではないか、世間は冷静さを取り戻すのではないか、などと思ってしまった。

 というのは、どうひいき目で見ても、国民受けをねらった「ばらまき公約」ばかりが前面に出過ぎているからだ。このマニフェストからは、日本をどういう国にしていこうとするのか、目指すべき国家像といったものが見えてこない。政権を担おうとするからには、そこが最も大事な点ではなかったのか。

 もっとも、自民党が「民主党に負けるな」とばかりに、その水準を上回るようなばらまき型のマニフェストを出した場合は、様相が違ってくる。「ばらまき度」を競い合うことが総選挙の焦点となるからだ。そうなればなったで、その程度の攻防戦かとあきらめもつく。

<ひとつひとつの生命を大切にする。他人の幸せを自分の幸せと感じられる社会。それが、私の目指す友愛社会です。税金のムダづかいを徹底的になくし、国民生活の立て直しに使う。それが、民主党の政権交代です。>

 マニフェストの冒頭部分がこれである。だれが書いたのか知らないが、いかにも「歯の浮くような文章」となってしまった。これでは中学生か高校生あたりの作文の域を出ないと言われかねない。成熟した大人の社会で、どこまで通用するのかどうか。そこに関心を持たざるを得ない。

 国の為政者が「民のカマド」に思いをはせるのは、当たり前のことだ。それが、このマニフェストでは、どこか浮世離れした印象を与えるのはいったいなぜか。そこを考えていて、思い当たった。

 日本経済がどん底の状態になってしまったのは、アメリカ発の金融危機である。これが世界同時不況の引き金となった。そのことが書いてないのだ。麻生首相は「全治3年」と言明したが、そこには、危機乗り切りのためには国民も痛みを甘受してほしいといったニュアンスが浮かぶ。

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