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古森 義久の“外交弱小国”日本の安全保障を考える


非核三原則の虚構を排すべき時が来た

2009年07月21日  RSS 

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新たな議論を呼ぶ非核三原則にからむ日米間の「密約」

 日本の非核三原則の虚構がまた新たな論議の的となってきた。民主党の鳩山由紀夫代表と外務省の村田良平元次官とがそれぞれ公開の場で非核三原則にからむ日米間の「密約」の存在を指摘し、糾弾したからである。

 私もこのテーマには深くかかわってきた経緯がある。日米間の核のその「密約」をエドウィン・ライシャワー元米国駐日大使が初めて正面から明かすのを聞いて、報道したのだ。いわゆる「ライシャワー核持ち込み発言」を引き出したわけである。村田元次官の指摘も、鳩山代表の批判も、ともにこの「ライシャワー発言」に沿った言明だった。そこで、いまこの「ライシャワー発言」の歴史にさかのぼって、核兵器持ち込みの問題を改めて報告し、論じたい。

 現在の日本にとって核問題は東西冷戦時代とはまた異なる現実的な意味がある。被爆国としての核廃絶への希求が国民レベルではなお広く存在する一方、北朝鮮の核兵器開発や中国の核戦力増強による日本への潜在顕在の核の脅威が現実の圧力となってきた。だからこそ核抑止は長年、日本の安全保障の主要な柱ではあるが、いままた新たな取り組みが必要となってきたといえよう。そのためには核持ち込みにからむ虚構を排除することがまず健全な安全保障政策の構築への第一歩とも思える。

 鳩山代表は7月14日の記者会見で、日米両国政府間には核兵器搭載の米海軍艦艇の日本領海の通過や日本の港への寄港を認める「密約」があると指摘して、その「密約」の存在を批判した。非核三原則に関する一連の発言の中での言及なので、真意や重点がどこにあるのか、なお不明ではあるが、「密約」の存在を日本政府が否定することは「滑稽」だと断じた。だから非核三原則や核抑止政策に虚構があってはならないというスタンスだとはいえよう。

 村田元外務次官は6月末、複数のメディアとのインタビューで「日本政府は核兵器を搭載した米軍艦艇の日本への寄港や領海通過を黙認することが日米両国間で密約として合意されていた」と述べた。きわめて明確な発言だった。村田氏は昨年秋に出版した『村田良平回想録』の中でもすでにこの「密約」の存在を明らかにしており、真実を明かさない日本政府の態度は「国民を欺き続けている」とまで書いていた。

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