大阪府の橋下知事らが与野党のマニフェストに地方分権を盛り込むよう要求して、総選挙のテーマとして話題になっているときに、地方分権に逆行する庁舎建築計画が進められていた。霞が関は何の痛痒も感じずに、無駄遣いを続けている。
分権委員会の第2次勧告後も、次々に庁舎の建設計画が進む
昨年12月にこの連載で書いたように、地方分権改革推進委員会が国の出先機関を移管・縮小するという第2次勧告を準備している最中、仙台第1地方合同庁舎の「増築」計画が進められていた。「増築」とは名ばかりの新築計画である。
地方分権改革推進委員会でこの問題を取り上げたこともあり、金子国土交通大臣の指示で仙台第1地方合同庁舎の建設は凍結された。ところが、「義務付け・枠付けの見直し」と「国の出先機関の見直し」の2つを柱とした第2次勧告が12月8日に出されたあとも、霞が関は数多くの庁舎建設計画を進めていた。
6月5日に国交省が地方分権改革推進委員会に提出した資料によれば、2009年度予算で36件の出先機関庁舎について整備事業費が計上されている(そのうち、仙台第1地方合同庁舎と長崎第2地方合同庁舎のみ凍結)。総事業費は2049億円である。
そのなかには、第2次勧告が出されたあとの、2009年1月から3月のあいだに新たに建設契約が結ばれた庁舎も含まれている。鹿児島港湾合同庁舎など10件、計587億円の契約が、第2次勧告を無視する形で進められていた。
昭和20年代の終わりくらいに、役所ごとにやっていた営繕(庁舎建築)を、田中角栄が建設省(現・国土交通省)に統一して、官庁営繕統一法をつくった。その結果、国交省がすべての官庁の営繕の予算をとって、毎年要求していくシステムになっている。地方分権改革は「霞が関解体」を意味する。解体される霞が関に予定通りの庁舎建設はいらない。
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