「政権交代をして何するんです。そこがいま一番問題なんではないですか」
麻生太郎首相は都議選の第一声でそう叫んだ。
首相のこの発言は正しく、それゆえに強い説得力がある。
「東京から政権交代」を掲げて都議選に臨む民主党にとっては他の何よりも厳しい反撃だ。
政権交代後に何をするかが問題
政治に関与している人ならともかく、多くの一般の有権者は、「二大政党論」も「政権交代論」も心に強く響くものではない。
とりあえず、現在の困難な状況を打開し、重要課題を解決し得る政権が早く出現することを渇望しているのだ。
「政権交代が争点」と言うより、「自民党政権を倒す」、「民主党政権をつくる」というほうがまだましだ。目指す方向を明確にしてこそ有権者を動かすことができる。
政権交代して、前の政権より劣ってしまったらどうするのか。誰でもそれを心配している。
ベテラン投手が打たれて、ピッチャー交代となっても、新人の投手がピンチを抑えられるかは別問題だ。交代したから勝つという保証は何もない。だからこそ、交代を叫ぶより、政権公約を磨き、決意の確かさを信じてもらうことが先決なのだ。
細川護熙元首相は、「政治に最も必要なものは旗印」と口癖のように言っていた。さすがに武家の血筋の人と思わせた。これには私も全面的に賛同していた。NHKの大河ドラマ『天地人』でも、“義”や“愛”が高く掲げられている。むき出しの力が激突する戦国の世であるから逆に旗印が必要とされるのだ。
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