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大前研一の「産業突然死」時代の人生論ビジネス

大前研一:知事連合で地方から国政を変えられる(1/6ページ)

2009.07.07

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 夏に衆院選が行われる気配だが、それに向けて自民党は選挙戦を有利に運ぶために経済対策という名のもとでバラマキをし、一方で地方の知事や市長といった首長が「地方分権」のもとに声を上げ始めた。中央集権国家と言える日本で地方自治体の力は弱い。国に対して地方はどのように戦っていくべきかを考えてみた。

派手なカネ遣いで「骨太の方針」と呼ぶ政府の経済運営

 政府の経済財政運営の指針となる「骨太の方針2009」が6月23日、閣議決定された。経済の底割れ防止と確実な底入れ反転の実現を最優先課題として掲げる一方、社会保障の機能強化や雇用を軸とした生活安心保障の再構築など、中長期的な取り組みを打ち出したのが特徴となっている。

 小泉内閣時代に打ち出された「骨太の方針」とは、財政再建に基づく構造改革を唱えたものであった。国債発行を30兆円以下に抑え、不良債権処理を進め、歳出を削減して、2011年度には基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化をめざす。それが経済財政政策担当大臣・竹中平蔵氏(当時)が述べていたことである。

 ところが、その「骨太の方針」も2009年版となると、まったく本来の意味を見失っている。歳出削減どころか、いつの間にか「経済の確実な回復を」とばかりに派手にカネを使うことばかり先行し、15兆円もの追加予算で経済対策を行ってしまった。これは明らかに宗旨変えで、「骨太の方針」と言ってもらっては困る。名付け親の竹中さんに出てきてもらって、もう一度「骨太の方針」を定義してもらいたいものである。

 米国に追従して大規模な財政出動という経済対策を行ったため、「2011年度にプライマリーバランスの黒字化」という目標達成は不可能になった。その結果、形式的には小泉内閣の「骨太の方針2006」路線は保ちつつも、「無駄の排除など歳出改革を継続しつつ、社会保障の必要な修復をする」との文言が2009年版には盛り込まれることになった。つまり、社会保障費の抑制が事実上棚上げになったわけである。

 実際のところ日本の台所事情はどうなのか。下の図を見ていただきたい。一般歳出と社会保障関係費の推移を示したものである。

 2009年に突然、一般歳出が膨らんでいるのが一目瞭然である。日本の場合、少子高齢化のために将来的な税収増が見込めないのだから、一般歳出が横ばいであっても財政は悪化していく。だからこそ歳出削減によってプライマリーバランスを黒字にしようということになるわけだが、そんな目論みはあっさり外れてしまった。2009年には一般歳出に対して社会保障関係費が25%を占めることになる。これが削れないとなれば、プライマリーバランスの黒字化を達成するためには一般会計を削らざるを得ない。

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