(伝農 浩子=フリーライター)
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日本の伝統文化が見直されているとはいっても、実際にその世界に身を置く若者はまだ多くはない。初心者や旅行者を対象に、三味線の楽しさを英語で教えている藤本流の久美弥さん。そこには、外国人だけでなく、日本人も通っている。
おばあちゃんに連れられて三味線の世界に

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芸事は6歳の6月6日から始めると上達すると昔から言われている。英語で三味線を教えている久美弥さんが三味線を始めたのも6歳の時だった。
「それまで三味線を弾いている姿を見た記憶はないのですが、おばあちゃんのお稽古に初めて一緒に付いて行き、その日に習うことを決めました。お師匠さんの紡ぎ出す音色や声がすごく素敵で、人柄も素晴らしかったんです」
三味線のお師匠さんに惚れ込んだ久美弥さんは、「将来の夢は三味線の先生」といつも口にし、小学校の作文にも書いたほどだったという。
14歳の時に本名と師匠の名の一文字を組み合わせて藤本流の芸名をもらう。
毎週、通うのが楽しかった日々が過ぎ、中学生のころに突然、スランプに襲われた。
「ううーっ、できない、できない……って。ダイエットでもそうだと思いますが、弾き方にしても曲にしても、それまでは覚えることばかりだったのが、練習の成果が目に見えて出てこなくなるころだったんだと思います。それまで無心で、身体で覚えていたのが、考えるようになっちゃったのかもしれません」
中学生という年齢もあるのかもしれない。思うように弾けず、パニックに陥った。それを察知したお師匠さんは、「弾かなくても良いから、おしゃべりにおいで」と言ってくれ、通うことだけは続けた。お師匠さんの三味線や歌を聴いて、自分も唄だけは歌うこともあった。
半年も続いただろうか、ある日突然、霧が晴れるように迷いが消えた。弾くことを楽しく感じることができるようになったのだ。
「何がきっかけだったのか分かりませんが。それより、ずっと付き合ってくれた先生の忍耐力がすごいと思う」
先生像としての師匠の姿もあこがれだ。
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