友好ムードの一方で、中国への警戒を解かぬ米国
中国はなぜ海軍力を大幅に増強するのか。その増強は米国や日本にとってなにを意味するのか――。
米国が中国に向ける視線はいつも複合的にみえる。少なくとも日本の対中姿勢よりはずっと多角的で立体的にみえる。深刻な経済不況に襲われた米国は経済面や金融面での中国の協力を必要として、中国に対し極めて信頼に満ちたような友好的な構えをみせる。しかし、その一方、中国の軍事力の増強や人権の弾圧への警戒を崩さない。
こうした複眼の対中姿勢を象徴する一つが「米中経済安保調査委員会」である。米国の連邦議会が2001年からスタートさせたこの政策諮問機関は「米中間の経済関係が米国の国家安全保障に及ぼす影響を考察する」ことを第一義の活動目的としている。このアプローチ自体が複合であり、米中関係は経済の動きだけでは律せられないという基本認識を反映している。
この委員会は民主、共和の両党議員が任命した中国問題専門家12人の委員から成り、米中関係にかかわるその時点での重要テーマを選んで、毎月2回ぐらいのペースで公聴会を開く。公聴会には各委員のほかそのテーマに関心を抱く上下両院議員が出席し、そのテーマに詳しい専門家を招いて意見を聞く。その結果は同委員会としての米国の議会全体や政府への政策勧告として公表される。
この米中経済安保調査委員会がつい最近の6月11日、中国の海軍力についての公聴会を開いた。正式には「中国の海軍近代化の米国にとっての意味」と題された公聴会だった。米国側が中国の海軍力の最近のあり方に真剣な注意を向けていることの表れだった。この中国海軍力の増強は日本にとっても重大な意味あいを持つ。
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